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MHRAのデータインテグリティー ガイドライン(ファイナル)に関して|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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MHRAのデータインテグリティー ガイドライン(ファイナル)に関して

2018-08-20

​FDA(米国食品医薬品局)がデータインテグリティーやcGMPに関するガイダンス(ドラフト)を発表してから約2年が経過しました。大きな話題性とともに発表された一方、記載に基づいて対応することが難しい条文もあり、関係者からも様々な批判の声が上がりました。

FDAによるドラフトガイダンスの最終化を待っている間、イギリスのMHRA(医薬品・医療製品規制庁)から、「GxP Data Integrity」に関するガイダンス(ファイナル)が発行されました。この文書はPIC/SやWHO、OECD、そしてEMAのデータインテグリティーの要件と連携しており、リスクや優先度、ライフサイクルといったデータマネジメントに対するリスクベースのアプローチが記載されています。

続いて、このガイドラインに記載されたデータインテグリティーの原則は下記の通りです。

・企業は、紙や電子といったフォーマットを問わず、全てのデータは完全で一貫性があり、正確であることを確実にできる組織としての文化を構築する必要があります。

・自動化またはシステム化された運用から紙ベースに戻す、またはその反対を行ったとしても、データインテグリティーに対する適切な管理が必要です。​

・データインテグリティの弱点が発見された場合、関連する全ての業務やシステムに対して、適切な是正措置・予防措置を実施し、単発の処理で終わらないことを確実にしなくてはなりません。

・FDAのドラフトガイダンスでは、データは、Attributable(帰属性)、Legible(判読性)、Contemporaneous(同時性)、Original(原本性)、Accurate(正確性)を兼ね備えているべきというALCOAの概念を紹介しており、MHRAガイダンスでは、Complete(完全性)、Consistent(首尾一貫性)、Enduring(存続性)、Available(利用可能性)を有するべきというデータの新たな概念「ALCOA+」について言及しています。

・製品や患者への影響が軽微なデータの場合、管理の労力や頻度の軽減が認められる場合があります。

・システムとプロセスは、データインテグリティの原則に準拠するように設計する必要があります。

・生データ/ソースデータを記録する様式へのアクセスは、適切に管理する必要があります。記録の再作成等を防止する為、他のデータとの一致にて確認できる手法(ページ番号等が記載された管理台帳などの利用)も必要です。

・作業を記録する記録者を作業者の代わりに用いることは、正当性が認められる場合、その検討が認められています。これは、作業者が業務と並行で記録することで、製品や業務の質に損害が生じる場合などが一例として挙げられています。この場合、別の担当者による記録作成は、遂行している業務と同時に行われるべきであり、記録には業務を実施した担当者と記録した担当者の双方を明記する必要があります。業務を行った担当者による記録への署名は、可能な限り同じタイミングで行うべきではありますが、この署名は事後に行うことも認められています。

・測定やサンプリング、または取得した数量ではない状態に対して、有効な科学的正当性を示せる場合、そのデータを除外することができます。しかし、どのような状況下でも、その正当性を文書化し、データのレビューや報告時に検討の対象とするべきです。また、全てのデータ(除外したものも含む)は、オリジナルのデータと共に保管し、レビュー時に、データを除外するという判断が正しかったのか確認できるような形式にする必要があります。

・アクセスコントロールをフル活用し、担当者は自身の役割に必要な機能のみアクセスできる環境を整え、各操作を特定の個人に帰属できるようにする必要があります。企業は、各スタッフに与えたアクセスレベルを提示できるように管理する必要があり、ユーザーのアクセスレベルに関する履歴が確認できるようにする必要があります。

・理論的根拠がサポートするデータインテグリティのリスクに基づき、その条件にて運用可能な文書化されたシステムの設計や実装、運用することが企業には期待されています。適切なアプローチの一例は、データインテグリティに関するリスクアセスメント(DIRA)を実行することです。DIRAは、データの作成または収集するプロセスを洗い出し、それぞれのフォーマットと管理を確認、各データの重要度と本質的なリスクを文書化することを意味しています。

FDAがドラフトを発行してから2年が経過した一方、当局は暫定的にこのガイダンスの多くの原則に依拠し対応を行っている関係上、多くの企業に対してウォーニングレターが発行され、輸入停止といった厳しい措置が取られたケースも発生しています。このような状況を踏まえると、FDAがこのガイダンスを最終化することは急務であり、記載に基づいた対応が難しい条文等で苦労している企業への解決策にもなることが期待されています。
 

著者のご紹介
Mark L. Schwartz
Director, Hyman, Phelps & McNamara, P.C.

 

Mark L. Schwartzは、(Hyman, Phelps & McNamara P.C.のディレクターを務め、生物学、医薬品コンプライアンス、並びに規制問題に関しクライアントへのアドバイスを行う。さまざまな役職を経験しながらFDAで約13年を過ごした後に、同社に入社。直近では、CBERのOffice of Compliance and Biologics Quality(約140人)の副部長を経て、コミッショナー、センタディレクター、Compliance and Biologics Quality部門やCBERとCDERのその他部門のディレクターに生物製剤、医薬品及び医療機器に係るさまざまコンプライアンス問題に対する助言を行う。
 

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