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コラム

クラウドサービス:バリデーション課題への解決策として

2018-09-19

 
ライフサイエンス分野におけるシステム導入では、多くの企業で膨大な時間がCSV(Computer System Validation)に費やされています。しかし、リスクベースのアプローチとクラウドサービスの誕生は、この従来の傾向を大きく進化させる可能性を秘めており、適切に組み入れることで、よりスピーディーにCSVを実施することに繋がります。
 
マスターコントロールでは、年間で数百ものシステムアップグレードを実施しています。このような膨大な数のアップグレードを効率的に実施する為、独自開発した製品やサービスをCSV専門チームが提供することで、効率性と効果性の双方を実現しています。そのCSV専門チームのバリデーション エキスパートであるErin Wrightは、年間で数十ものアップグレードを担当しており、マスターコントロールのシステムに限らず、効率的にCSVを実施する上での8つのポイントを本稿ではご紹介しています。
 
1. サプライヤーが提供する文書やテンプレートを評価、活用
 
FDA(米国食品医薬品局)は、法規制の中で「Least Burdensome Approach」の使用を推奨しています。
「Least Burdensome Approach」とは、最低限の負担を伴う手法であり、サプライヤーが提供する文書の活用がこれに該当します。マスターコントロールでも、CSV文書セットの活用をお客様には推奨しており、新規導入とアップグレードの双方でCSV文書作成にかかる工数を大幅に削減することに繋がります。また、カスタム開発の場合を除けば、システムを開発した当事者が要件や仕様に一番詳しいのは明らかであり、そのような事情からもサプライヤー提供の文書利用を薦めています。
 
2. CSV文書にサプライヤーのテスト結果を含める
 
一部のマスターコントロールのお客様では、社内規定等の関係で、CSV文書セットに含まれる機能検証結果を利用せず、独自のテスト計画やスクリプトを作成されています。しかし、そのようなスクリプトで独自のテストを実施しても、その内容はマスターコントロールの機能検証結果に既に含まれる内容であり、結果として、重複したテストをプロジェクト内で複数回、実施している状態となります。一方で、米国及び欧州のソフトウェア業界では、他のテクノロジー分野と同様、様々な変化(クラウドサービス、自動アップグレードなど)が起こっており、CSVについては、重複したテストを繰り返すのではなく、もっと効率的な手法を導入していく必要があります。
 
3. カスタム開発や設定は極力避ける
 
様々なオプション設定や拡張性は、パッケージソフトウェアにおいては魅力的である一方、その選択肢の多さに混乱してしまったり、仕組みが非常に複雑になる可能性があります。システム設定を検討するうえで、将来的な拡張性、簡単な操作性、そして運用の容易性の3点がポイントとなります。一般的に「ベストプラクティス」と呼ばれる設定や手法は、そのような点が考慮されており、また、実際の導入も行われたモデルですので、新しい設定や運用を発明するよりも、より確実に導入コストの削減と成果につなげることができます。
 
4. 自社固有の設定と利用方法に対する評価
 
リスクベースでバリデーションを実施するには、自社が使用している機能と運用方法を認識し、詳細な評価を実施することを推奨しています。リスクベースのアプローチは、ソフトウェアが提供する機能の重要度だけではなく、自社がどの機能を使用しているかも考慮する必要があります。また、これを実施するには、ソフトウェアの仕様と関連する法規制に対する知識が必要です。
 
5. クリティカルな業務を中心としたバリデーション戦略
 
リスクベースで考える場合、各業務に対して優先度等が設定されますので、全てをバリデーションする必要はありません。自社の製品やサービスの品質と安全性に最も重大な影響を与える分野を「クリティカルな業務」と定義し、その分野を中心にリスク評価を実施していきましょう。
 
6. リスク評価に基づいたソフトウェアのバリデーション
 
リスク評価が終了したら、その結果に基づいて、ソフトウェアのバリデーションを行います。その際、「高リスク」と評価された業務を中心にソフトウェアのバリデーションを実施することが重要なポイントです。また、クラウドサービスの提供者が自社で機能検証等を実施している場合、そのような文書を活用することもコスト削減のポイントとなります。
 
7. アップグレードには変更管理を活用
 
アップグレードを実施する際、バリデーションに関する適切な情報を変更管理として運用することを推奨しています。これは、承認対象となる文書を一本化することによるスピードアップと、変更内容をレビューする際に1か所で全てが確認できる運用体制を意図しています。
 
8. 最新の機能や障害修正の適用
 
CSVの更新を理由として、最新の機能や障害修正を妥協することは、CSVの本来の目的から逸れています。ライフサイエンス業界にソフトウェアを提供しているベンダーであれば、CSVにかかる時間や費用の課題は熟知しており、それに合わせた製品やサービスを提供していますので、確認してみましょう。
 
今回のポイントは、GAMP及びFDAのバリデーションに関するガイダンスを基にご紹介しました。
 
最後に、導入時にお客様にもご紹介していることですが、「トラディショナル」な手法とは、手慣れた手法であり成果も予測できるので、変化は極力望まないという考え方であると理解しているかと思います。しかし、正しい考え方とツール、戦略が揃えば、そのような従来の手法を進化させ、効率性と効果性の双方をレベルアップさせることができます。
 
 
 
 

著者のご紹介
Cindy Fazzi
Staff Writer, MasterControl Inc.
オハイオ州立大学にてジャーナリズムの学位を取得後、オハイオやニューヨークのAP通信にて20年以上、報道や編集を経験。現在は、ライフサイエンス業界を中心に、マスターコントロールにて執筆業務を担当しています。


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