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データインテグリティー:なぜ今もホットトピックなのか?【前編】

2019-04-03

ライフサイエンス業界に勤めている多くの方々にとって、「データインテグリティー」という言葉は、ここ数年の間、聞き飽きるほど良く耳にした用語だと思います。また、データが「完全で、一貫性があり、正確である」ということを実現する為、多くの企業でGxPに関わる重要データへの対策も行ってきました。では、なぜデータインテグリティーの話題は今でも頻繁に出てくるのでしょうか?ここ最近のFDAの査察結果を見てみると、データというものは、日々増えていくという性質があり、やはり、世界中で対策するというのは当初想定したよりも難しいことなのかもしれません。

まず、データインテグリティーとは何かを簡単に確認しましょう。GxP分野にて運用されるデータは、先ほども述べたように「完全で、一貫性があり、正確である」という必要があります。これを実現する上で準拠すべきなのがALCOAの原則で、A(帰属性)やL(判読性)、C(同時性)、O(原本性)、A(正確性)をデータのメタデータとして含める必要があります。より詳細な定義については、2018年12月にFDAが発行したガイドラインにも記載されています。

データインテグリティーが今後もライフサイエンス業界における重要なポイントであり続ける理由を説明する前に、これまでに発表された法規制やガイドラインを確認し、よくある課題について見ていきましょう。そのような事例を確認することで、より効果的にデータインテグリティーを管理できるプログラムに繋げていけるのではないかと思います。

I. 法規制

データインテグリティーに関連する法規制は新しいものではなく、1997年に21 CFR Part 11が誕生してから、特に新しいものは発表されていません。ただし、FDAはデータインテグリティーに関連する見解をガイドラインという形で何度か発表しており、各発表段階におけるFDAの着眼点、また、データインテグリティーを長い間リスクとして捉え続けていたことを読み取ることができます。

II. 査察の傾向と課題

FDAがここ数年の懸念点としてデータインテグリティーを挙げていることは、Warning Letterの数を把握するだけでも容易に理解することが可能で、2016年は全体の15%、2017年は18%、そして、2018年には25%に上昇しています。

また、これらのWarning Letterを見てみると、同じようなポイントが繰り返し指摘され続けており、製造記録や試験データの不備、システム内の権限に関する指摘は、データインテグリティーに関する指摘の中でも常に上位を占める事例です。また、多くの指摘事項では、品質システムにおける特定の業務プロセスの欠如や不備といった点が証拠として示された内容から把握することもできます。しかし、このような事例で注視すべきポイントは、品質システムの一か所に課題が見つかったという事実は、他の箇所にも問題が潜在していると考えるのが自然であり、このような課題はデータインテグリティーを構成する基本的な要素に問題を抱えている状態であるということを認識しなくてはいけません。その為、このような事実がデータインテグリティーに対して確認された企業の場合、データインテグリティーだけでなく品質マネジメントシステムレベルでも相当な問題を抱えていると推測されてしまいます。

後編ではデータインテグリティーに対する解決策をご紹介いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Matt Brawner

Matt Brawner氏は、製薬及び医療機器業界に18年以上携わっており、品質や製造、自動化、IT、開発、組織体制など、様々な領域にてご活躍されています。ここ最近では、グローバル市場でもトップクラスの企業同士の合併における品質マネジメントシステムの統合プロジェクトにてリーダーを務めており、シックスシグマのブラックベルトを保有し、Sequence社のデータインテグリティーを専門としたエキスパート(SME)及びディレクターを経験されています。

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