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医薬品開発について知らないこと ~それを自覚することの重要性~【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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医薬品開発について知らないこと ~それを自覚することの重要性~【前編】

2019-05-13

初めて新薬の開発を行う組織では、非臨床試験にて良好な結果を得ると新薬の承認への道のりは短くスムーズであると思いがちです。いくつかの臨床試験を経て、生物学的製剤承認申請書(BLA)が作成され、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認がすぐそこまできている―

ご存じの通り、そんなに安易なものではありません。

私は、研究から承認を取得するまでの道のりは、ボリビアの北ユンガスの道を連想します。それは短くもなければスムーズでもなく、信じられないほど複雑な道なのです。平均的に、非臨床を通過した5,000種の新規化合物のうち、新薬として承認されるのはたった1種です。BIO Industry Analysisによると、すべての新薬候補物質に対し第1相試験から承認に至る可能性は、全体的に見て9.6パーセント ―研究から上市まではトータルで 0.0192パーセントです。これは、2017年の治験薬(IND)452出願中、わずか43種が第1相試験から、最終的に承認に至ったことを意味します。新薬開発は至難の業なのです。    

何よりも、新薬開発に関して知っておくべき重要なこととは、何を知らないかについてきちんと自覚することです。新薬開発は驚くほど費用のかかる計画であり、ミスが起こればさらに高コストとなります。コストがかさむミスの例として挙げられるものは、非臨床試験の誤ったデザインがあります。2012年の平均コストとしては、初期毒性試験からファーストインマン試験までの非臨床プログラムで650万ドルであり、その範囲は10万ドル~2700万ドルとなっています。FDAは、事前に非臨床試験のプロトコルのレビューを行うことはほとんどないため、FDAからのアドバイスが必ずしも役に立つというものでもありません。非臨床試験のデザインがご自身の専門分野ではない場合には、サポートを得るべきです。非臨床試験に100,000ドル以上を費やした後、FDAからデータがヒト臨床試験を正当化できないと言われることを、想像してみてください。

臨床試験のデザインと監視に関しては、素人のでる余地はありません。多くの医薬品には、第1相試験の費用に500万ドルから5000万ドル、第3相試験までは500万ドルから7億5千万ドルかかると言われています。コストがそれほどかかるのであれば、適正に行われているか否かを確かめたいという気持ちになるでしょう。もちろん、適正ではない場合にはFDAより指摘を受けます。しかし、FDAから指摘を受けるタイミングでは、すでに多額の投資が行われているはずです。治験がどこで、誰によって実施されるか、また誰がモニタリングを担当するかは、適正な実施を目指すうえで、非常に費用がかさむところであり、また重要な点となります。

後編ではリスクマネジメントの具体的な適用方法をご紹介いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Arvilla Trag, RAC, Consultant, BioProcess Technology

ニューヨーク州アルバニーのセントローズ大学を卒業後、生物学及び化学の学士号を取得。NYSDOHのDepartment of Neurotoxicologyのラボラトリテクニシャンとして6年間努め、哺乳動物組織培養、初代組織培養、IEF及び2D-SDS-PAGEゲルの製造に従事。ワクチン研究開発施設であるVirogeneticsの規制問題及び品質保証マネージャーを務め、そこでFDA CBERとCVM、及びUSDA APHISへのすべての提出物の書き込み、SOPとアーカイブの維持、及び現地規制とのインターフェースを担当。Midwest Consulting Services(MCS)の社長兼主席コンサルタントとして、数十件のIND、及びBLAのModule 3 及び2.3の作成に関与し、申請書類の詳細な準備に加えて、契約製造業者及び試験施設に対するcGMPコンプライアンス監査の実施経験は250件を超え、M&Aのデューデリジェス監査の実施、品質マニュアルの作成、品質システムのギャップ分析を経験。現在は、RAC、BioProcess Technology Consultantsのコンサルタント。新薬開発において27年の経験を有する。

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