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監査担当者が食品施設に求めるものとは?【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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監査担当者が食品施設に求めるものとは?【前編】

2019-06-05

食品施設に対する取引先からの監査はとても重要で、適切な食品安全マネジメントシステムが運用されているかを判断する為、取引先として実施する最も主要な業務と位置付けられています。本稿では、監査を成功に導くために採用すべき戦略と戦術の一部をご紹介いたします。

こんなシナリオに聞き覚えはありませんか?

大規模な監査が迫っています。ここ数ヵ月間、自社の施設では監査対応への準備に取り組み、現在、監査実施前としては最後の社内会議の真っ最中です。施設の責任者が「監査の準備は整っているのか?」と尋ねると、品質保証部の責任者は「できる限りの準備はしています」と回答しました。

相当なストレスとプレッシャーが工場全体で発生しており、結果次第では、業績評価や昇級、年末賞与等への影響も否定できな為、経営陣も含め、施設全体でその対応に躍起になっています。

しかし、それほど本当はストレスを感じるものではないと私が言ったら、あなたはどう思いますか?私が長年にわたり学んだことを実行に移していただければ、多少のストレスを緩和し、監査の準備を行えると思います。

監査とは?

個人的な定義では、監査とは予め設定された基準への適合性を検証することであり、こうした基準には、契約条件やSQFなどの食品や品質の規格などが使用されます。また、監査にも種類が幾つかありますが、本稿では、独立した外部機関によって実施される監査(第三者監査)について、お話したいと思います。

監査担当者について知る

役職は監査担当者と共通化されていても、各自がこれまでに担当してきた業界や業務によって、実施する内容や重点を置くポイントが大きく異なるのが監査担当者の特徴であり、数十年の経験を有する大手食品会社の元品質保証(QA)ディレクターが担当する場合があれば、食品業界の経験はない自動車メーカーの元工場QAが責任者となっているケース、場合によっては、監査担当者として初めて実施するケースに遭遇する場合もあります。このように、担当者の経験や力量などが大きな影響を与えるのが監査であり、監査担当者の特徴と理解する必要があります。

また、あまりご存知ではない方が多い話として、企業は監査担当者を「選択」することができる点があります。監査を予定している担当者に自社工場を正しく評価するための経験や気質を備えているかを確認する為、実施予定の企業に対して、複数名の履歴書/職務経歴書の提出を依頼し、面接のような形式で実際に会ってみることで、どの人が適切かを判断することができます。このように、自社施設を評価する上で必要となる知識や経験を明確にすることが可能であれば、必ずしも、企業側が選択した担当者を受け入れる必要はありません。

実施する監査の内容について

一般的には、監査担当者が用意する複数の質問への回答と、担当者への対応の2点から構成されます。この点を忘れないための理想的な方法がPDCAサイクルです。




 Plan(計画): 基準・規格は?
Do(実行): どのような手順を踏むのか?
Check(評価): 実施したことの証明は?
Act(改善): 補正すべき場合は何をする?

 

これらについて、1つ1つ見ていきましょう。

Plan(計画): 基準・規格は?

どの基準や規格で評価されるのかという点は、監査の範囲を明確する上で最初のステップです。監査担当者は、あえて範囲外のことに言及することも多くあるため、監査を成功に導く為に押さえておきたいポイントです。この点について必ず覚えていて欲しい重要なポイントは、対象となる基準や規格に含まれていない内容に関しては、監査担当者も言及すべきではないという点です。

例えば、SQFの規格に関する監査の場合、提示する文書の中でSQFに該当する箇所のみ、話題にします。他の規格からの要求事項や施設内の他の業務に触れないよう注意すべきで、必要であれば、他のシステムの機会に対応しましょう。説明などの対応内容はできる限りシンプルを心掛け、各監査における目的は、適用されている規格の要求事項に対して直接的な回答を述べることです。

また、対象となっている規格の背景や目的などを十分に理解することも重要です。監査担当者の見解に同意できない事項が発生した場合でも、その監査担当者より深く対象規格を把握していれば、毅然とした態度で自身の見解を述べることにつながります。対象規格に対する十分な知識は、監査を受ける上でも重要ですが、マネジメントシステムの導入などの場合では、そのような知識なくして、自社に適切な運用を描くことは難しいはずです。

Do(実行): どのような手順を踏むのか?

これが監査におけるメインディッシュとも言うべき項目です。監査担当者が規格の要求事項について質問した際、自社における業務手順について説明する必要があり、また、その手順は手順書などの文書で示す必要があります。

例えば、SQF(第7.2版)の2.2項には文書管理の記載があります。

   2.2.1.1 常に最新の文書にアクセス可能な環境を実現する文書管理の方法及び責任の文書化及び導入
   2.2.1.2 SQFシステムに関する最新の文書及び改訂を示した登録の保管
   2.2.1.3 文書の安全に保管、常にアクセス可能な運用環境

ここでの目的は、単刀直入かつ明快に監査担当者をリードする点にあります。文書をレビューし、規格への適合状況を確認したら、監査担当者は次の質問に移ります。複数の文書の間を往復したり、断片的な情報を組み合わせながら回答する自体は避けたいです。質問に対する回答は、「Direct & Clear」であることが大切です。

この3つの要求事項の全てが網羅された手順書を用いて、自社での運用内容を説明してください。ただし、それが示せない場合には、指摘事項を受けることになるかもしれません。

この2.2項の要求事項の場合、監査担当者が注視するポイントは以下の通りです。

・ 文書管理手順の文書化、責任の明確化
・ 文書に対する従業員のアクセス方法
・ システム内に存在する全ての文書一覧(登録)
・ 文書の保管方法、システム

後編では食品施設におけるPDCAの続きをご紹介いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Bryan Armentrout CEO, The Food Leadership Group

Bryan Armentroutは、乳製品及び製パン産業における品質保証執行役としてWhiteWave FoodsやBoulder Brandsなどで20年以上の経験を有し、品質保証及び薬事コンサルティング事業もコロラド州Lovelandで創設、SQF Technical Advisory Council の副議長であり、経営管理に関するベストセラー本も出版しています。事業に関するご相談は、www.foodleadershipgroup.comよりお問い合せください。

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