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理解しにくいリスクベースアプローチ【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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理解しにくいリスクベースアプローチ【前編】

2019-07-10

本稿では、「リスクベースアプローチ」の異なる用語やどのシステムで要求されるかについて「ISO 13485:2016 Practical Guide」(以下:Practical Guide)がどのように定義しているかを解説していきます。

品質マネジメントシステムにおいて、リスクベースアプローチの理解を複雑にしている1つのポイントは、セクション0.2の「適切な(as appropriate)」という表現の定義です。 4.1.2bでは、「品質マネジメントシステムに求められる「適切である(the appropriate)」プロセスの管理にリスクベースアプローチを適用するものとする」という類似の表現が使用されています。
 
「適切な(as appropriate)」と対比した「適切である(the appropriate)」の使用は、セクション0.2で定義されたものと同じ内容と推論すればよいのでしょうか? 「リスクベースアプローチ」はQMSの各要素に個別に適用すべきなのか、それとも全体に適用すべきなのでしょうか? 患者の安全上のリスク(セクション0.2の「医療機器に求められる性能と安全性」)にのみ適用するものなのか、もしくは規制関連上のリスク(セクション0.2の「適用規制要件の遵守」)にも適用するものなのでしょうか?なぜ、規格の最重要といっても過言ではないフレーズにこのような曖昧で短い表現を使用しているのでしょう。それは、「リスクベースのQMS」がISO 13485規格の意図であり、新しい表現は既存の要件を明確にするためです。
 
「Practical Guide」はガイダンスを提供し、組織が以下のようなステートメントから「appropriate(適切)」という判断を下す裁量権を持たないことを示しているようです。
 
  • 「このリスクベースアプローチは、QMSに必要なすべてのプロセスに適用すること」(0.2ガイダンス、14ページ、原文に太字装飾なし) および
  • ISO 13485:2016では、QMS全体を通じてリスクベースアプローチの実装を要求事項としています」(8.5.2ガイダンス、206ページ、原文に太字装飾なし)。 
 
規格全体を通じてQMSの各要素ごとの要求事項を読んでいると、リスクベースアプローチに対する用語の用法の統一が不十分だと感じます。規格でリスクの考慮事項を説明していないセクションが多数ありますが、システムへのリスクベースアプローチの適用が免除されているという意味ではありません。「Practical Guide」では、ISO 13485の特定したセクション(いわゆるリスクベースアプローチ)は、トレーニング、サプライヤーモニタリング、購買品の検証、およびバリデーションにおいて、とりわけ適用されるべきと指摘しています。
 
後編ではリスクベースアプローチの他の課題をご紹介いたしますので、お楽しみに!
 

著者のご紹介
Michelle Lott
Principal and Founder, Lean RAQA Systems
約20年のヘルスケア用品業界における経験を有し、複雑な規制課題にユニークかつシンプルなソリューションを提供し業界での地位を確立。新興企業を対象とする薬事申請及び品質管理システムの確立を専門とし、より規模の大きい企業には、再プログラムしている改善サービス及び品質文化の再プログラミングを提供しています。Make Quality Make Senseの使命をもって、規制および品質システムソリューションを事業とするLean RAQA Systems、LLCを設立。また、過去には国際規格及び品質管理の経営陣も務め、現在は、業界の代表者としてFDAのDevice Good Manufacturing Practices(DGMP)諮問委員会に在籍し、主要トピックについてFDAにストラテジー及びガイダンスの提供を行っています。 

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