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医療機器業界における国際調和 ~Perfect Stormを耐える~ 【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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医療機器業界における国際調和 ~Perfect Stormを耐える~ 【前編】

2019-07-22

ここまでの経緯

Brandwood Biomedicalによる最近のウェビナーでは、欧州連合(EU)の医療機器規則(MDR)、Brexitの影響、そしてISO 13485:2016の立ち位置の変更とカナダの承認プロセスの変更という最悪の事態(Perfect Storm)に、どのように対応を進めるべきかについて検討されました。

最初のポイントは、これらの内容同士が重なり合っており、医療機器メーカーに立ちはだかるハードルを乗り越えなくてはならなくない状況となることを、数年前に我々が認識していたことです。 その時が、まさに「今」なのです。下図に示すように、変更の導入は現在順調に進行しており、私たちは最大の難関に差しかかっているのです。大部分では顧客の需要が急増しているなか、企業はゲートが閉ざされる前に医療機器指令(MDD)のもとで認証を取得しようと必至になっている状況です。

EUでMDRが施行されるなど、世界的な規制変更の流れに伴い、医療機器メーカーは当面のターゲット市場をEU以外の市場に切り替え始めています。そのため、米国食品医薬品局(FDA)やその他の地域にまず対応する医療機器メーカーが著しく増加しています。以前は、FDAへの対応から始める医療機器メーカーはわずか4%であり、最初にEU規制当局にアプローチするケースが80%で、医療機器の65%はFDAからクリアランスを取得する前にCEマーキングを取得していました。

参考記事:Northwestern Survey Finds FDA Predictability a Top Concern Among Medtech Firms; Europe Preferred for Product Approval
http://www.prnewswire.com/news-releases/northwestern-survey-finds-fda-predictability-a-top-concern-among-medtech-firms-europe-preferred-for-product-approval-122514653.html)。

その為、市場に対する企業の方針の変化は、MDRから始まったさまざまな要因が起因していると考えることができます。

まず、最初の要因ですが、「不確定な」要素によるものと言えます。MDR及びEU体外診断用医療機器規則(IVDR)が承認され、医療機器メーカーが導入を開始するなか、実際の要求事項に関する数多くの疑問が次々と提起されています。これらは、主に第三者認証機関(Notified Body)を中心に展開されるもので、特に、事態が落ち着いたらどの第三者認証機関が残っているのか、新しいワークロードが残った第三者認証機関にどのような影響を及ぼすのかです。現在も、Brandwoodにはすでに、一部の第三者認証機関がこれ以上の案件の受け入れを拒否している、新規クライアントを受け入れていない、またはテクニカルファイルのレビューにかなりの遅延が生じている等といった恐ろしい話が耳に入ってきています。  

この他、European Database for Medical Devices (Eudamed)についても、多くの疑問が浮上しています。 このシステムが実際のところどのように機能するのかに加えて、EU固有機器識別子(UDI)の導入に関するものです。 EU単独の市販後ビジランスの厳格化は、過去に見たことのないようなものになることが予想されており、医療機器メーカーは間もなくこれらの要求事項に対応できる準備が必要となるでしょう。第三者認証機関によりMDRが新しいより厳格な要求事項に厳密に対応することが期待されているため、医療機器メーカーは自社の管理に非常に注意を払い、品質管理システム(QMS)が十分に堅牢で、要求の厳しい監査官をも満足させるものであることを確実としていく必要があります。 

現在の状況

MDRの完全な導入には、ここから約13ヵ月はかかるのではないかとみています。先に示したように、第三者認証機関は既に12~14ヶ月の延期を想定しています。これは承認取得の日程ではなく、認証に向けたテクニカルファイルのレビューの日程です。 また、テクノロジー及びテクノロジーの進化の速さを考えると、このウェイティングリストは医療機器メーカーの事業全体に及ぶさまざまなリソースに大きな負担をかけることになることが考えられれます。

さらに、サポートの対象となる製品及び医療機器メーカーのタイプをより選別してきている第三者認証機関も存在しています。適切な第三者認証機関が少なく、レビューの対象となる新規テクニカルファイルが多数ある(新製品またはMDRから新たにレビューが要求されたもののいずれか)とすると、第三者認証機関が対象を絞ってくることも推測の範囲となります。

MDRとIVDRの移行期間中のマネジメントが十分ではなかったかのうように、医療機器メーカーはU.K.の現況を考慮することが必要となります。MDRの導入まで数か月に迫まりながらも、もしU.K.とEUの間に合意が得られない場合には、U.K.に第三者認証機関が存在しないという事態が発生します。これは、現在U.K.を拠点とする第三者認証機関を使用している製造業者だけでなく、U.K.に輸入及びEUに輸出を行っている医療機器メーカーにも影響を及ぼします。

ですから、U.K.の第三者認証機関に関連する1つ目のポイントに取り組んでいきましょう。U.K.をベースとする第三者認証機関の大部分がすでにU.K.を離れ始めています。これは、彼らの認証がEUで有効性を失うというワーストケースシナリオに備えての動きです。U.K.をベースとする第三者認証機関の大部分がすでにU.K.を離れ始めています。これは、彼らの認証がEUで有効性を失うというワーストケースシナリオに備えての動きです。顧客に対し所在地の変更と予想される内容についてすでに通知を始めて第三者認証機関もいます。これに伴う問題は、大部分の医療機器メーカーが数ヶ月間CEマーキング認証を利用できなくなる可能性があるということです。現在上市への道筋としてCEマーキングを使用している規制当局(オーストラリアなど)のうち、この移行期間中に代替のアプローチや取り決めを導入している当局はごくわずかです。問題は認識されていますが、潜在的なワークロードを把握することは難しいと思われます。その一例は、現在インポートの90%がCEマーキング適合品であるオーストラリアで見ることができます。これらすべてに再認証が必要となるのです。


そうなると、輸入業者や輸出業者への影響も考慮する必要があります。EU地域で販売される全製品の50%が、U.K.を拠点とする第三者認証機関によって認証されていると推定されています。さらにまた、U.K.に輸入される製品の70%は、U.K.を拠点とする第三者認証機関による認証を受けています。こうした企業にとって不確定要素は困難となり、これがU.K.内でどのように管理されるのかはまだ決定されておらず、それでも時間は刻々と過ぎていくのです。
また、CEマークを上市への迅速化に利用する経済組織についても考慮する必要があります。世界的な規制当局が嵐に備えていますが、備えが必ずしも当局や医療機器メーカーにとって対応を容易にするわけではありません。影響を受ける経済組織の一部は、以下の図に示されています。

後編でこのような問題を踏まえた今後の対応方針の幾つかをご紹介いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Grant Bennett CEO,Brandwood Biomedical
オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域における規制コンプライアンスに関するコンサルティングサービスを提供。オーストラリアのすべてのコンサルティングプロジェクトの管理監督も担当する。

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