MENU

データセキュリティーと品質管理における7つのポイント【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

ニュース

MASTERCONTROL NEWS

コラム

データセキュリティーと品質管理における7つのポイント【前編】

2019-09-10

近年、FDAによる査察にて、データインテグリティに関連指摘事例が増えています。製薬業界におけるデータインテグリティは、医薬品の安全性、有効性及び品質を保証するうえで不可欠な要素です。

本稿では、製薬業界におけるGMP(Good Manufacturing Practice)及びGLP(Good Laboratory Practice)にて生成されるデータの管理及びセキュリティに関する重要なポイントをご紹介します。試験施設及び製造施設の数が非常に多い製薬業界では、すべてのアプリケーションに対応する単一のデータ管理/セキュリティソリューションは存在しません。

下記は、要求事項とその行政機関の一覧になりますが、さまざまな規制当局から、データ管理やデータセキュリティに関するガイドラインが制定されています。

  • 2015年3月、医薬品・医療製品規制庁(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency、MHRA)の業界向けガイダンスGMP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry。2016年7月付け改正案GXP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry
  • 2016年8月、医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Cooperation Scheme、PIC/S) のDraft Good Practices for Data Management and Integrity in Regulated GMP/GDP Environments
  • 2016年、世界保健機関(WHO)TRS 996 Annex 5 - Guidance on good data and record management practices
  • 2018年、アメリカ食品医薬品局(FDA)ガイダンス-Data Integrity and Compliance with Drug cGMP


データ管理
MHRAは、ガイダンスにて、「データガバナンスは、医薬品の品質システムに欠かせないものである」と述べています。データの管理方法は、データインテグリティの逸脱が生じた際の、患者の安全性及び製品品質に対するリスクに、相応すべきです。データを効果的に管理するため、企業では、データ管理及びデータセキュリティを取り巻く指針や手順、教育カリキュラム、バリデーションに関するガイドラインを作成、実施する必要があります。

  • 固有のユーザーアカウントやパスワード、レコードの上書き/変更/削除の禁止、ユーザーレベルのセキュリティグループ、非アクティブセッションのタイムアウト、パスワードの有効期限、ユーザーロックアウトメカニズム、電子署名(該当する場合)と監査証跡等の基本的なデータインテグリティ機能を備えたインスツルメントシステムアプリケーションを考慮するうえでの、企業のガイドとなるべきものがポリシーです。こうした機能の管理は、ポリシー及び標準作業手順書にて規定します。上記のようなセキュリティ機能を持たないシステムでは、コンプライアンスを維持するうえでポリシーと手順が最も重要となります。
  • 紙媒体及び電子データ両方の寿命を管理するための、記録保持ポリシーを設定します。各インスツルメントシステムの手順では、データを元のシステムまたは適切なアーカイブに保持可能か否かを決定し、意図的または不用意な変更や損失からレコードを保護します。 電子データのバックアップシステムでは、レビューの際に関連するメタデータ及び監査証跡を含むデータの真正コピー(true copy)の作成が可能であることが求められます。FDAの勧告によると、「紙ベースデータ及び電子データの記録管理システムに対する要求事項は同じである」という点を踏まえておくことが重要です。
  • データ管理システムによる電子データの収集及びレポーティングは手順書に定めます。レポートの自動化により、データインテグリティを担保するために、データのレビューに要していた労力の軽減が想像できること。データ収集及びレポーティングシステムは、生成されたデータの復元が可能な構成であることが必須となります。
  • データインテグリティの逸脱を防止、検出し、更にデータとメタデータの正確性、完全性及び真実性を検証するために、定期的にデータの確認を行う手順が必要となります。定期的なデータのレビューには、記録された監査証跡のレビューも含めます。監査証跡のレビューの頻度は、データの重要性とリスクアセスメントに基づいて決定するものとします。
  • データデータインテグリティの原則の重要性及びデータデータインテグリティ逸脱の識別に関する教育訓練を定めるポリシーの設定も必要です。 企業は、品質システムを通じて、エラーや異常の報告のしやすい作業環境を作り出すことが重要となります。
  • インスツルメントシステムから生成されたデータが安全であり、企業及び業界のガイドラインに従って維持されることを確実にするために、バリデーション手順書とガイドラインが適切に存在していることが求められます。同じシステムを使用してcGMPと非cGMPの両方の機能を実行する場合、関連するリスクの軽減を導く手順であることも重要です。
  • 企業方針は、ライフサイクル全体を通じてデータ管理に取り組むものであること、またデータインテグリティの原則に従う目的でデータフローを追跡するためにデータプロセスフローチャートが確立されていることが求められます。


本記事は二部構成の前編です。後編は数週間以内に公開いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Armando Coronado Consultants, Sequence 

University of Florida卒、微生物学及び細胞科学の学士号取得。2005年に製薬業界でキャリアをスタートし、Talecris Biotherapeutics(現在のGrifols)に入社。Talecris/Grifolsに在籍中は、血漿由来医薬品における中間製品製造の研究開発及びアッセイサポートグループを支援。2008年に、Cirrus Pharmaceuticalsに移籍し、GMP環境における分析器具の使用、メソッド開発及びメソッドのバリデーションのスキルを習得。2011年にSequenceチームに加わり、バリデーション業界で才能を発揮。現在、Sequenceのラボコンプライアンス部門に在籍しています。最近では、遺伝子治療研究所の立ち上げ、クオリフケーション及びインプランテーションの管理に従事。ラボラトリーバリデーションは、データインテグリティ及びcGMP要求事項を満たすためのベストプラクティスアプリケーションを実装する目的で、リスクベースアプローチを採用。製薬業界の規制遵守分野における、コンピュータシステムバリデーション、データインテグリティ、データ管理、品質評価及びバリデーション手順に注力するエクスパートです。21 CFR Part 11及びAnnex 11に必要なシステム実装に精通。Sequenceは、当社のリファーラルパートナーです。
 
Vidhya Ranganathan Consultants, Sequence

Sequenceのシニアコンサルタント兼チームリーダーであり、2011年から同社に勤務。製薬及びバイオテクノロジー業界のクライアントとの長年の経験を有し、データインテグリティにフォーカスし、法規制に準拠した方法にて、新たな機器や装置の実装を支援。品質管理とコンプライアンスへのリスクベースアプローチの採用により、品質及びデータインテグリティをビジネスプロセスに織り込むソリューションの納入達成の実績を有します。
新しいシステムの実装に取り組む場合も、また重要な品質コンポーネント(CAPA、監査など)に取り組む場合でも、各クライアントのビジネスニーズを考慮して、コンプライアンス維持を目的とするサポートとガイダンスをクライアントに提供。バリデーション及びデータインテグリティの改善をサポートする標準作業手順書及び技術文書の作成及びレビューに積極的に貢献。データ処理フローチャート、プロセスリスクアセスメント、変更管理、機器・装置のバリデーションプラン及びプロトコルの促進での直接経験を有します。バイオテクノロジーの学士号を取得しており、American Society of Quality Professionals(ASQ)の会員です。Sequenceは、当社のリファーラルパートナーです。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

一覧へもどる

 Ⓒ Copyright 2000-2017 MasterControl K.K.
ALL RIGHTS RESERVED.

ページのトップへ