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QMSに関するよくある誤解の解消:Class IIからClass IIIデバイスへの移行【前編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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QMSに関するよくある誤解の解消:Class IIからClass IIIデバイスへの移行【前編】

2019-12-09

「品質マネジメントシステム(QMS)をClass III仕様にアップグレードしなければ・・・」、これは、米国でClass IIの医療機器を販売している企業が、Class IIIを検討している際に、よく聞くフレーズです。表示や報告など、法規制の範囲に違いはありますが、QMSの要求事項は同じです。今回は、クラス間で異なるQMSに関する誤解、米国食品医薬品局(FDA)がClass IIIの観点からQMSのレビューを行う際に何を期待しているかについて探ってみたいと思います。

米国で最上位の医療機器分類に進出することは、成長企業にとって刺激的なことです。様々な疑問が湧いてくる一方、規制当局や規格を管轄している組織から回答を得ることができます。どのような試験を必要とするのか、これにどのようなコストがかかるか、FDAとどのようなやり取りをするのか、QMSにどのような変更を加える必要があるのか。これらの質問の多くは、回答に数か月のリサーチを経て、時間の投資が必要となります。ただし、QMSにどのような変更を加える必要があるかという質問に関しては、かなりシンプルなものとなる場合があります。 それは、Class IIデバイスのQMSを正常に導入できている場合です。現在、規制に準拠したClass II向けのQMSを運用している場合、品質システムへの変更は最小限または全く更新を必要としないケースもあります。

米国では、医療機器に対する品質システムの要求事項は、FDA 21 CFR Part 820で定義されています。 サブセクションで規定されている要求事項には、ヒトに使用することを目的としたすべての医療機器最終製品の設計や製造、包装、表示、保管、設置、、サービスに導入される方法、設備、及び管理を定めています。 FDAは、医療機器が安全かつ有効であり、米連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に準拠することを保証するための規制を導入しています。一般要求事項はCFRで定義されていますが、導入の範囲と導入方法は各企業に委ねられています。従って、デバイスがClass IIまたはClass IIIであるか否かにかかわらず、堅牢なQMSとは、治験医療機器の適用免除となるIDE制度(Investigational Device Exemption)(該当する場合)の製造セクション、市販前承認(PMA)申請のモジュール4(製造モジュール)、市販前承認査察、及びすべての市販後規制/コンプライアンス活動をうまくナビゲートするものとなります。 

ただし、Class IIからClass IIIへの移行を準備する際には、考慮するべき点がいくつかあります。

  1. 主要なQMS手順は、FDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH;Center for Devices and Radiological Health)におけるレビューの対象となること
  2. Class IIIデバイスに固有の製造情報(プロセスバリデーション)は、CDRHがレビューを行うこと
  3. No.1とNo.2の結果が、製造施設での市販前承認調査に用いられることがあること
  4. 承認後にPMAを維持するには、追加のQMS情報を提出する必要があること


QMSの定義及びこのグループ化された情報に含まれているドキュメントタイプの定義は多く存在しています。本稿の目的からQMSを取り巻くものの定義を明確にすると、すべての品質マニュアル、品質方針、手順書、作業指示書、及び設計記録(DHF; Design History File ); 製造記録(DMR;Device Master Record及びDHR;Device History Records); マーケットリリース(CAPA、苦情、出荷記録、医療機器報告、リコール等)があげられます。

CDRHにおけるQMS審査

従来のPMA申請書を提出する場合でも、PMAモジュール申請書を提出する場合でも、21 CFR Part 820に準拠していることを示すために、PMAとともにQMS手順書を提出する必要があります。この審査は、各手順書の内容と手順書間の相互関係を審査するために、自社施設で実施される調査とは異なるものとなります。本審査は、QMSが規制に準拠した方法で機能するようにデザインされていることを確認するために実施されるものです。 たとえば、CDRHの審査担当者は、苦情処理システムがCAPA及びMDRシステムに関連付けられていて、CAPAシステムがリスク管理、設計管理、不適合製品管理/プロセス、リコール、及びMDRシステムに結び付けられていることを確認していきます。

FDAは、「Quality System Information for Certain Premarket Application Reviews(市販前承認審査に関する品質管理システム情報)」ガイダンス文書を交付し、QMSの説明及び期待される手順書の提出について記載しています。このガイダンス文書に従って製造セクションを完了すると、CDRHレベルでQMSに関連する不備を指摘される可能性が低くなり、市販前査察の交付前にすべての不備をクリアする必要があるため、申請タイムフレーム全体の時間を節約することになります。

本記事は二部構成の前編です。後編は数週間以内に公開いたしますので、お楽しみに!

著者のご紹介
Andrea Pilon Artman

2019年にSpectRA Compliance、LLCを設立し、医療機器企業の有する経験の改革を目的とするコンサルティングサービスを提供。テクノロジーと企業はそれぞれ特色を持つものであり、そのニーズを満たすには個別対応の規制及び品質管理サポートが必要であるというのが、彼女の信念です。Artmanは、組織にシームレスに適合し、目標の実現を支援するように設計されたカスタマイズされたソリューションを提供することにより、SpectRAのクライアントとの提携に努めています。
University of Toledoで生体工学の修士号を取得しており、骨再生に使用するナノコンポジット材料の特性評価に焦点を当てた論文研究に従事。同校で、生物工学の学士号も取得。論文の完成に伴い、米国食品医薬品局(FDA)のレビューアーとなり、レグレートリーサイエンス及びポリシーに対する情熱を培ってきました。FDAに在籍中、Office of Compliance(市販後)及びOffice of Device Evaluation(市販前)の両方で心血管系デバイスの審査を担当。
間近では、創傷管理及び外科用製品に特化した細胞外基質に関連する企業の規制関連業務のアソシエイト・ディレクターを務める。Artmanは、心血管や整形外科を含む広範囲にわたる医療機器業界にて、規制関連業務、品質工学及び規制コンプライアンス等、複数のポジションを歴任しています。ご連絡をご希望の方は、andrea.artman@SpectRAcomplianceLLC.comまでご連絡ください。SpectRA Complianceは、MasterControl Referral Partnerです。

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