MENU

ISO 9001:2015:経営手法に対する特効薬として|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

ニュース

MASTERCONTROL NEWS

コラム

ISO 9001:2015:経営手法に対する特効薬として

2016-03-09

 

ISO 9001:2015は、管理職の方々の日々の悩みへの解決策になるかもしれません。新しいISO 9001の最大の変更点は、経営陣に対して、問題を未然に防ぐための取り組みを求めています。問題を回避するシステムが備わっていれば、経営者には安心感が生まれ、細かな配慮を行き届かせてシステムを育成することができますので、安心して眠ることもできるのです。

私も長年、管理職を務めた経験があり、組織の責任者というのは、常に次に挙げるような内容を考えているかと思います。

  • 目標達成
  • 大切なお客様の満足度の維持
  • 進捗状況の監視
  • 効果的な業務管理


目標を達成するということは、想定される結果を考慮しながら組織全体の方向性を定め、障害となりうる課題への対応を行うことです。ISO 9001:2015の第4.1項では、組織の目標、戦略的方向性や意図する結果を考慮し、目標達成に関連する組織内外の問題を特定することが述べられており、これを「組織目標(Organizational Context)」と呼んでいます。この分野において、不明な点が多かったり、発生している問題が不明確または対応中である場合は、経営者に不安を与える要因ともなります。

また、製品やサービスに影響を及ぼす顧客以外の利害関係者を特定し、彼らの要求事項を把握する必要もあります。経営面から考慮すると、こうした利害関係者は成功に欠かせない存在と認識されており、ISO 9001:2015第4.2項では、利害関係者の要求について記載されています。ISO 9001:2015は、経営者に対し、こうした利害関係者のニーズを満たす取り組みを支援する内容となっているため、経営者も安心して取り組むことができるでしょう。

成功の鍵は、リスクベースの考え方にあります。組織目標や利害関係者の要求事項を理解するということは重要ですが、新しい規格の内容はそれだけに留まりません。組織固有の問題や要求事項、リスクやチャンスに対し、マネジメントシステムを整備していくことにあるのです。重要度に基づき取るべき行動を決定し、頑強な評価プロセスによって定期的なモニタリングを実施します。別のアプローチが必要となれば、そこで修正をします。第4項の評価については、第6.1項及び6.2項にも述べられていて、リスクとチャンスを明確にして目標を設定するとしています。現行のISO 9001が航海に必要な船舵のように方針が規定されているとするならば、ISO 9001:2015には、風向計やコンパス、地図、スピーカーが加えられ、より具体化された方法が規定されているということです。

次に、モニタリングの変更点についてお話しします。ISO 9001では常に、測定及びデータ分析に関する内容が用いられていましたが、新規格では全く新しい基準の概念が取り入れられています。モニタリングや測定、分析、評価における要求事項は、規格全体にわたって記載されています。2008年版と同様、要求事項が直接的に記載されている項目は第9.1項の1つのみです。2008年版とは異なるのは、2015年度版ではモニタリングや測定、分析、評価を行わなければならない対象について、別の項目でも規定している点です。第9.1項以外の要求事項は、25箇所以上ありました。以前は、「重要と判断する箇所をモニタリングし、測定を行う」としていた記載が、現行の要求事項ではより規範的であり、包括的かつ全般的な内容となっています。

運用管理に関しては、新ISO 9001で大幅に変更された点はなく、運用管理に関する細かな表現などが変わり、経営者をより支援する内容となっています。計画的、非計画的、いずれの変更もその管理に関する新しい要求事項があります。ISO9001:2015では、「知識(Knowledge)」を特定し、利用できるようにしておかなければならないこととしています。

「力量(Competence)」とは、今までトレーニングの考慮の際に注目されていたテーマです。コミュニケーションプロセスについては、より明確に要求事項が定義されています。アウトソーシングやコンサルティング、委託などの外部ソースからのサービス提供に対する管理についても、今回詳細に規定されています。不適合の管理については、不適合製品だけにとどまらず、「不適合の過程出力(nonconforming process outputs)」が含まれています。こうして強化された内容は、いずれも経営者にとって根本的な変更を求めるものでなく、2008版の盲点に着目した結果、現行の改定に至ったものとなります。それではここで、経営者の皆様の為のまとめ項目です。

  • 一歩引いて、全体像を眺めてみてください。そして、組織内外の課題のうち、意図した結果や目標、戦略的意図を実現する上で組織にとって役立つ、あるいは妨げるとなる可能性のある課題を特定します・・・できていれば、チェックマークをつけてください。
    ・ 組織が影響を及ぼす(または影響を及ぼす可能性のある)関係者を特定してください。このような利害関係者の要求事項を定義し、その利害関係者や要求事項がマネジメントシステムに関係するのか、意識的に判断して行く必要があります・・・できていれば、チェックマークをつけてください。
    ・ リスクやチャンスのうち、全体的な状況に影響を及ぼすものや、組織内外の問題、利害関係者の要求事項に関係するものを特定してください。 計画的にリスクに対し安全対策を講じ、チャンスを最適化した後に、リスクとチャンスに関するモニタリングの方法を決定します・・・できていれば、チェックマークをつけてください。
  • 作業方法は指定された手順に準拠し、関係周辺の管理を行ってください。やらなければいけないことを1つずつ着実になしていくだけです。予測できる変更と予測できないない変更をプロセスに組み入れておけば、逸脱があった場合も、要求事項で求められる水準を維持しつつ結果を得ることが可能です。・・・できていれば、チェックマークをつけてください。

    結果に焦点を当てたマネジメントシステムでは、組織の重要度の高い利害関係者に着目し、運用管理やモニタリング方法も組み入れて追跡可能な状態となる(必要に応じて迅速に追跡を実施する)ことができるのです。あなたの最高責任者に是非お伝えください。快眠のために枕をオーダーする代わりに、ISO 9001:2015を是非お読みくださいと。

 

著者のご紹介
Matt Leiphartは、1992年以降、ISO 9001等、マネジメントシステム規格にかかわる業務に従事。 13年間、コンサルティング会社の代表を務め、マネジメントシステムの評価ではスコアリング方式を採用。第三者組織の監査役であり、審査機関のリーダーとしての管理理システムの監査技術のトレーニングプログラムをこれまでに数多くの人々に提供した実績を誇る。様々な経験を踏まえ、継続的な改善やビジネス目標達成のためのツールとして、マネジメントシステム規格を最大限に活用するといったユニークな視点に基づいたアイデアを提供。現在は、Cavendish Scott, Inc.で、附属書SL及びISO 9001:2015への対応に向けた新たなトレーニングプログラムを開発し、コンサルティングを行っている。

Cavendish Scott, Inc.は、30年以上にわたり、ISO 9001に関する規格のコンサルティング、トレーニングプログラム、監査に取り組んでまいりました。長期にわたり、規格が進化していくのを見ていると、検討中の規格がどのような方針で最終化されるのか、非常に楽しみです。弊社では、トレーニングプログラムやコンサルティングソリューション、監査、ギャップ分析、プロジェクトプランニングパッケージなど、クライアントの皆様をサポートするサービスを提供いたしております。経営者に向けたリスクベースの思考のメリットについての講習会も開催しております。
Cavendish Scott, Inc.は常に、正確で専門性の高い、効果的なマネジメントシステムソリューションの創造に励んでおります。杓子定規に処理するのではなく、皆様の企業が付加価値のある認証を獲得できることを弊社が保証します。詳しい情報はこちらから。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

一覧へもどる

 Ⓒ Copyright 2000-2017 MasterControl K.K.
ALL RIGHTS RESERVED.

ページのトップへ