MENU

US/EUにおける同時承認審査: タイミングは、その要因となり得るか【後編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

ニュース

MASTERCONTROL NEWS

コラム

US/EUにおける同時承認審査: タイミングは、その要因となり得るか【後編】

2020-03-02

本記事は連載企画の後編です。前編をご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。

EU MDRによる医療機器イノベーションへのブレーキ
一方、EUにおいては、より規制の多い承認プロセスを採用する方向の動きがあり、革新的なテクノロジーや販売承認のペースは本質的に減速することが考えられます。安全性が確保されていない医療機器が消費者の元に届いてしまったというシナリオがベースとなり、規制当局の承認に対するより慎重なアプローチのきっかけとなった可能性があります。 そのような製品の1つとして、Poly Implant Prothese(PIP)社製乳房インプラントがあげられます。
 
1991年、PIP社はシリコン性の乳房インプラントの生産を開始し、20年間で200万セット以上を製造していました。後に、PIP社製の乳房インプラントに使用されていたシリコンは、安価な工業用のもので、医療用の品質水準を伴っていないことが判明したのです。このインプラントは破裂の発生率が高く、炎症を引き起こし、多くの場合、瘢痕化やその他の副作用の原因となっていました。 2
その後、健康への影響に対する懸念が世界規模で高まり、ヨーロッパの医療機器規制の大幅な見直しに至り、それが新しい医療機器規制Medical Devices Regulation(MDR)の策定につながったのです。 MDRは2017年5月に施行され、医療機器メーカーが必要な準備をするための3年間の移行期間が設けられています。新規制(MDR)は、2020年5月に現在の医療機器指令(MDD)に代わり完全実施になる予定です。
 
MDRに関するEUの目標
EUの規制プロセスにおける主な変更点は以下の通りです。
 
  • 臨床データ及び臨床評価の重視。製造業者は、安全性及び性能における主張を裏付ける、より詳細な臨床データの収集及び提供が求められます。
  • より厳格で包括的な製造販売後調査に関する要求事項。
  • 体外診断用医療機器向けの新たなリスク分類システム。
  • 製造業者が自身とデバイスの固有識別番号(UDI)コードの登録が義務化されるしナショナルレジストリの作成。
  • 医療機器製造サプライチェーン全体の透明性の向上。
  • ノーティファイドボディの医療機器監視権限及び責務の強化。
     
同時承認審査に関する見通し
各監督機関の規制改革には重複するところがありますが、それぞれの規制プロセスに対して提案されている変更は、規模のバランスがとれていません。MDRは現在、3年間の移行期間中であり、企業が新規制遵守の準備を進める中、まだまだ多くの問題を整理していく必要があります。FDAは、510(k)の戦略的プライオリティ を展開する初期段階であり、医療機器の承認審査の近代化とよりスムーズな道筋の策定を進めています。
その結果、両規制機関のレビュー及び承認プロセスに関するタイムフレームは明らかではありません。「マーケティンググループがUSとEUの両方からの許可が揃うまで待っても構わないと思わない限り(私は彼らがそのような考えを持つとは思えませんが)、同時に市場に参入する計画を立てることは難しいでしょう」と、KPMGのアドバイザリーサービス担当シニアアソシエイトであるAdam Cargil氏は述べています。
 
References
2. PIP Breast Implant Scandal: A Story That Triggered Change,” Kirsh, Danielle, MassDevice, Nov. 29, 2018.
3. New Regulations on Medical Devices,” Regulatory Framework, published by European Commission.
 

著者のご紹介
David Jensen
マスターコントロールのマーケティングコミュニケーションスペシャリスト。
20年以上、テクノロジー、プロフェッショナルディベロプメント、ビジネス、及び規制環境に関する、技術やマーケティング、パブリックリレーションに関するテーマで執筆を行っている。 
Weber State Universityにてコミュニケーション学士号を取得し、Westminster Collegeにて修士号を取得している。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

一覧へもどる

 Ⓒ Copyright 2000-2017 MasterControl K.K.
ALL RIGHTS RESERVED.

ページのトップへ