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欧州体外診断用医療機器規則(IVDR)の目的と最新技術の重要性【後編】|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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欧州体外診断用医療機器規則(IVDR)の目的と最新技術の重要性【後編】

2021-01-04

本記事は連載企画の後編です。前編をご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。

GSPRチェックリスト

PEPとGSPRチェックリストには、クロスオーバーがあります。GSPRチェックリストでは、製造業者が、個々の要求事項に準拠していることを裏付ける記載を特定し指定できるようにするものの、通常、準拠の達成方法に関する詳細な要約や概要は含まれていません。分析性能報告書及び臨床評価報告書には、データのサマリ、ならびに特定のIVDR要求事項及び使用目的にどのように適合するかについての考察と結論を含めます。

干渉物質を例として考える場合、最初にリスクマネジメントにおいて特定し、次に、PEPにて必要なスタディを特定し、リスクが管理されていることを確認します。このスタディのアウトプットは、受入基準が満たされているか否かの報告と結論になります。続いて、分析性能報告書で、すべての分析的研究のデータをまとめ、IVDR要求事項が満たされていることと主張を明確に文書化します。残存リスクは、IFU使用説明書(Instructions For Use)に記載します。

GSPRチェックリストは、その名の示す通り、製造業者がすべての要求事項に準じていることを確認するためのリストですが、詳細なサマリや、最も重要な明確な結論が欠けています。過去には、必須要求事項チェックリストに多くの個別レポートが参照されていましたが、現在では分析性能報告書を参照する方が適切です。

既存デバイスのファイルの移行

既存のデバイスをベースにIVDRファイルを収集する場合、分析性能報告書を使用して既存のソースからのデータを収集し、所見を要約し、意図された目的及び主張に一致するIVDRへの準拠に関する明確な文書を作成します。第三者認証機関(Notified Body:以下、NB)は、データを確認してIVDRに準拠しているかどうかを結論付けることはできません。NBは、考察及び結論を見てから、データを見て、一致するか否かを確認します。場合によっては、全データを深く掘り下げた後、結論に同意するか否かを決定することもあります。NBに大量のデータを提供し、NBがデータをレビューし、準拠しているか否かを判断してくれることを期待することはできません。自ら、明確な結論を導き出す必要があります。分析性能報告書で参照されているレポートは、IVDRに先がけて作成されている可能性があるため、IVDRの要求事項が満たされているという明確な結論を導き出すことはできません。

例えば、IVDRでは安定性の要求事項を満たすために製品の3つのバッチからのデータが必要ですが、ISO規格ではバッチ数についてある程度の柔軟性があります。その結果、IVDDに準拠した安定性調査はIVDRに準拠しない場合があります。安定性スタディの最後の結論は、データが基本的な要求事項をサポートしているということです。ただし、IVDR要求事項が満たされていること、分析性能報告書が既存レポートを参照することができること、及びデータがIVDRに準拠していることを示すことを説明するステートメントが必要です。この結論を出すのに不十分なデータがある場合、追加の市場データが必要になります。安定性は、製造業者にとって頻繁に問題になると思われる領域であり、残念ながら修正に最も長い時間を要する可能性があります。

IVDRを満たすためにIVDDファイルを移行する方法を決定する際には、ドキュメントの流れを理解することが重要となります。PEPは、リスク管理、意図された目的、及び最新の技術水準からの入力を使用して、IVDR要求事項とIVDRの第7条で要求されているデバイスに対する広範なクレームの両方をサポートするために必要なデータを決定します。新しいデバイスの場合、PEPは要求事項をサポートするデータを作成するために実行する必要がある調査を決定します。一方、既存のデバイスの場合、このデータは通常、オリジナルの設計検証及びバリデーション、市販品の設計変更、市販後調査活動及びその他のリアルワールドデータから再利用されます。

結論

つまり、IVDRの文書がどのように組み合わせられるかを理解することが重要です。適正な性能評価報告書を作成するには、意図された目的と最新の技術水準の重要性を理解し明確に記述することが重要となります。修正となった場合はさらに時間を要する為、安定性における潜在的なギャップは、早期に特定する必要があります。
IVDRへの移行にその機器の目的または要件の変更を要する場合、IFUの変更、及びその連鎖からグローバルなラベリングの変更を伴う可能性があります。これが必要な場合、他国への申請に広範囲な影響を及ぼすため、意図された目的のギャップ評価をし、すべての要件を網羅できるようにすることは、IVDRコンプライアンスへの重要な最初のステップとなるでしょう。
 

著者のご紹介
Sue Spencer

医療機器及びIVD業界で30年以上の経験を有し、IVDのヘッド及びQServe Groupの主任コンサルタントを務める。IVDD及びIVDR規制、QMSの実装、内部監査、サプライヤー監査及びコンプライアンス監査、リスクマネジメント。教育訓練、及び小規模の新興企業や多国籍企業との連携を主な専門領域としている。
新規企業から大規模な企業に至るまでのIVD企業で、研究開発、製造、品質保証の職を歴任し、3つのNBの在籍経験を有しますが、うち2つはゼロからの立ち上げに携わっている。欧州IVD Notified Body Working Groupの議長を務め、規制に対するNBの対応を調整。長年に渡り、委員会IVDテクニカルワークグループに参加しており、さまざまなIVDトピックに関する経験豊富なトレーナーである。特に要求事項に関する実践的な経験を向上させるためのワークショップの作成を得意としている。

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