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サプライチェーン:変更前に注意すべき点|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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サプライチェーン:変更前に注意すべき点

2021-03-24

製造業に関わる多くの方にとって、サプライチェーンのトピックは重要な問題として続いており、本稿は、Process & Strategy Consulting社の代表兼コンサルタントであるCynthia Kalina-Kaminsky氏に現在のサプライチェーンにおける課題等に関するインタビュー内容をご紹介いたします。

Q. 製造業は中国から撤退すべきという議論がありますが、その点を検討する際に重要なポイントについて教えてください。

内容にもよりますが、中国には製造に必要となるリソースがありますが、その業務を移行し持続していくことは現実的ではなく、戦略的ではない場合があります。

まず、下記の点について確認する必要があります。

  • 製造に必要な技術を有している企業・拠点
  • その企業・拠点の地域・国
  • サプライチェーンの効率性と持続性を維持する管理方法


この判断は、顧客が望むパフォーマンスの維持が実現できる前提で推進すべきです。ニーズを理解するということは、顧客が望む価値を生み出すことであり、サプライチェーン及び必要となる指標を組み入れることが、そのような価値に繋がります。もし、資産やコストが現状の最優先事項である場合、長年かけて成長した効率的で低コストなサプライチェーンが中国にはある為、適切な場所であると考えています。

中国は、大量生産やコモディティと分類される日用品等の製造に非常に優れています。しかし、小ロットや、オーダーに応じて作り変えるようなカスタマイズされた部品の製造の場合、そのような製造に求められる品質と利便性を持ち合わせた製造業社が必要となります。また、少量生産の場合、各製品に必要となるスキル等も異なり、そのような特徴に適した製造業者を探すことが必要となります。そのようなケースでは、自国や近隣地域を検討した方が良い場合もあります。

サプライチェーンの場所は、事業または製品によって、何が適切かを考えながら判断すべきです。自社に近い地域で行うことが品質の向上に繋がり、品質が最優先事項なのであれば、そう判断すべきです。ただし、そのような判断には戦略的になる必要があり、不必要な変更でサプライチェーンに混乱をきたすような事態は避けなくてはなりません。サプライチェーンの物理的な移行には時間がかかり、また、新しいプロセスで効率的に運用できる段階に辿り着くには、一定の時間が必要であることも考慮すべきです。

Q. サプライチェーンに調整が必要な箇所は、どのように特定したら良いですか?

現在、企業が直面している課題の一つが、時間をかけて一つのサプライチェーンを構築し、それを他の全てに適用しようとしている点であり、これは、多くのケースで機能しません。各サプライチェーンは、特定の価値を生み出すために構築されており、その価値が顧客のニーズにあっているので、ビジネスが成立しています。しかし、他の製品やサービスの顧客が求めるものは異なり、品質に対する期待も異なります。お客様が求める品質やニーズを正しく理解せず、提供できない状況が発生すると、それは苦情に繋がります。

そのような状況が発生すると、多くのお客様に影響を及ぼすため対処すべき課題となる一方、どこに課題が発生しているのかを把握することは、基本的な所に課題が潜在していることもあり、容易ではありません。その課題に対する戦略を検討する経営陣や担当者は、対象製品や関わっている業務から、サプライチェーンに適用されている様々な指標を確認し、企業として目指している形が実践できているかを確認しましょう。各サプライチェーンの最優先事項は、その先の顧客が望んでいる価値を提供することであり、その点に注力すべきです。まず、その方向性を確立し共有することで、他の指標等に対する考え方や優先度を最適化しながら議論を進めることができます。また、最優先事項を変更しないという点も非常に重要です。その点がぶれてしまうと、顧客と社内の両方に混乱が発生し、より深刻な状況を引き起こす可能性があります。

Q. 拠点を変えることでサプライチェーンが向上できると判断された場合、どうすればその変更を適切に実行できますか?

この質問に対する答えは、冒頭に記載した、誰が必要な技術を有しているかという点に関連しています。ただ、製造業者に委託するのではなく、顧客が期待する価値を提供し、自社が求める製造ができる企業に依頼する必要があります。

また、人員の採用面についても、女性やマイノリティーなどを考慮し、多様性に溢れた組織を構築することで、様々な利点をもたらします。昨年、マッキンゼー社が実施した調査によると、そのような多様性は組織全体に適用すべきで、これには経営陣も含まれます。そして、その調査では、30パーセント以上の多様性が存在している企業では、その数値に達していない競合企業と比較して、財務面で圧倒していたという結果が出ました。多様性というポイントだけで、このような差が結果として出ている点は、注視すべきポイントです。

なぜ、これだけ財務面の差が生まれるのでしょうか?この質問に対する答えのヒントにもなりますが、例えば、新しい市場へ進出する際、その業界で求められる知識や経験を有した人材を採用すると思います。なぜ、その採用を行うかというと、その市場を理解した人員を追加することで、他の分野の人材を異動するよりも、より安定的に新市場に対する取り組みを推進できるからです。より多角的な視点や意見を取り入れることが、結果として、業績を含めた企業の成長の促進に繋がります。

Q. サプライチェーンの変革は、非常に早い速度で進んでいるように感じます。今年度末までには、どのような変化が起きると思いますか?

まず、データの収集や活用方法に対する考え方が変わってきています。データを保有することは当然で、例えば、在庫状況に関するデータであれば、そのデータを正しく活用し、移動や出荷、生産スケジュールに展開できているかというのがポイントになります。

しかし、データが整理されていない状態だと、どこにどのデータがあるのか、何ができるのか、何が必要かなのかといったことが把握できません。本来であれば、製造に関わるデータは、適切なツールで運用することで、意識することなくデータが整理され、トラッキング等に繋げることもできます。その状態ができて、ようやく、データ分析や傾向分析が可能となり、ブロックチェーンなどの新技術も採用できるようになります。

ただし、情報の電子化と聞くと、気後れする方もいるかもしれません。また、リアルタイムで情報にアクセスできるようにするには、全ての情報が継続的に更新されなくてはいけないと思っている方も少なくないと思いますが、実際には違います。

本稿を通じて繰り返し述べている通り、企業は優先度を付けて、物事を推進する必要があります。この例の場合、必要となるデータに優先度を付け、その管理に必要となるツールを選択していきます。組織がそこまで大きくないケースで、まだ電子化を始めたばかりの場合は、クラウドテクノロジーを使用したツールやストレージがお勧めです。このようなソリューションはセキュアー(サービスプロバイダーがサイバーセキュリティー対策を行なっている為、ユーザー側で心配する必要がない)で、どこからでもアクセスが可能となります。また、先行投資に必要な費用も抑えることができる一方、その利点は計り知れないものです。

今回は、サプライチェーンから必要となるテクノロジーまで、様々なことをお話しました。ポイントは、提供しなくてはいけない価値に基づいて、優先度を付け、様々な判断を推進していくということです。注力するポイントが正しく理解できれば、必要となることも自ずと見えてくるでしょう。
 

著者のご紹介
Dale Thompson


Evergreen State Collegeにて学士号、Westminster Collegeで修士号を取得後、医薬品及び製造業に関する様々な執筆活動に携わってきました。現在は、マスターコントロール米国本社のContent Marketing Specialistとして活躍しています。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

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