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人工知能が広げるライフサイエンスの可能性とは

2021-03-29

巨大スクリーンを彩る多くのSF映画には、様々な人工知能(AI)が登場しています。映画に登場する人工知能は人間のような特徴や性格を持っていることが多く、ストーリーにおいても、その題材を中心として構成されたものが多いです。一方、現実世界の人工知能も人間の知能を再現する形で設計されることが多く、テクノロジーを活用して情報を取得し、その情報に対する分析及び利用を決定、新たな情報を取得した際には必要に応じて修正を行うといった動作をアルゴリズムを用いて行っています。

ヘルスケアと人工知能

人工知能は、関連技術と位置付けられる機械学習(ML)や自然言語処理(NLP)と組み合わせて、ライフサイエンス業界に様々な変革をもたらしています。大手IT企業は、既存のライフサイエンス企業と提携し、人工知能をベースとした医療機器の開発を次々と発表しており、この傾向は今後も続いていくことが予想されます。IT大手のグーグルは、メイヨー・クリニックとのパートナーシップを発表し、がん治療のための人工知能及び機械学習を使用したツールを用いて、同医療機関における診療及び治療プロセスの軽減を目的とした技術開発の取り組みを発表しました*1。

下記は、ヘルスケア領域に対する同技術の適用例の一部です。

  • PathAI:病理検査室向けにAIを搭載したテクノロジーを提供するプロバイダー、病理医がより正確ながん診断を行うことを目的としたML技術を開発*2
  • Viz.ai:ソフトウェアがCTスキャナーと連携し、潜在的な大血管閉塞(LVO)を特定、放射線画像や通知を自動的に医療従事者へ通知*3
  • CloudMedX Health:自然言語処理及びディープラーニングにより電子カルテからデータを取得し、医療従事者の意思決定を支援*4

 

リスク軽減と法規制対応

行動や問題といったデータから迅速に関連する情報を見つける技術により、人工知能では、現在または過去のデータを利用して、より正確に未来を予想する「予測分析」が可能となっています。このような仕組みから得ることができる情報は非常に貴重であり、同技術の急速な普及にも貢献しています。結果として、医療分野における分析市場も成長を遂げており、2024年には5,025億ドル(約50兆円)にまで達すると予測されています*5。

そして、ライフサイエンス企業では、同技術を法規制対応を行う上での戦略的な利点として活用することもできます。人工知能とデータ分析を組み合わせることで、品質管理に関する包括的な状況把握をリアルタイムで実現し、次のようなことが可能となります。

  • 自動的にデータを収集・分析し、新たな傾向や潜在的なリスクが存在する領域を迅速に特定
  • 膨大な情報から迅速な意思決定を行い、既存の課題や潜在的な課題を対処、結果も継続的に監視
  • より良い成果を挙げる為、評価基準や目標値を継続的に調整
  • 自社内の全組織及びサプライチェーン全体の透明性を強化


法規制に関連する新規または潜在的な課題を正確に特定・軽減することは、設計・開発段階から製造まで、全ての工程における品質管理に効果的です。例えば、逸脱や不適合が発生した際、時間を要する作業の一つが根本原因の分析であり、トラッキングや傾向分析を行い、類似する課題の調査や、発生した内容から想定されるより大きな課題の特定を行っています。

このような分析を手作業で行う場合、その手間は膨大でありながら、効果的な分析を適切に実施することは簡単ではなく、全く想定外であった品質問題が発生したという事例も少なくありません。そのような問題が発生すると、品質分野の担当者は、改善や他の重要な業務に注力できず、発生した品質問題への対処に多くの時間を費やしてしまう状態に繋がります。

ビジネスに対する必要不可欠な要素として

最新のテクノロジーを適切に活用することは組織全体における生産性の更なる向上に繋がります。業界のリーダーと位置付けられる企業は、次世代ソリューションに対する調査を継続的に行い、そのような向上の機会を探しています。そして、テクノロジー分野のコンサルティングファームである、アクセンチュア社が実施したリサーチでは、次のようなデータが発表されました。

  • 40%以上の企業がIoT(Internet-of-Things)及び人工知能を使用した予知保全を導入予定
  • 83%の役員層は成長戦略は人工知能無しでは実現不可と回答
  • 75%の企業が人工知能を正しく活用できないと5年以内に経営が困難な状況に陥ると回答


今後、企業文化のより広い領域に、人工知能は好影響を与えると考えています。教育や技能開発には新たなパラダイムが誕生し、人間の創造性は強化され、現在の労働環境では実現できない新しいコラボレーションが生まれるでしょう。

参照

  1. “Google Opening Office Near Mayo Clinic Campus to Galvanize Tech Collaboration,” Rebecca Pifer, MedTechDive, Feb. 19, 2021, https://www.medtechdive.com/news/google-opening-office-near-mayo-clinic-campus-to-galvanize-tech-collaborati/595316/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202021-02-19%20MedTech%20Dive%20%5Bissue:32556%5D&utm_term=MedTech%20Dive
  2. “32 Examples of AI in Health Care That Will Make You Feel Better About the Future,” Sam Daley, Builtin, July 29, 2020, https://builtin.com/artificial-intelligence/artificial-intelligence-healthcare.
  3. “Viz.ai Adds New Capabilities to its AI Stroke Platform,” NeuroNews, Feb. 20, 2020. https://neuronewsinternational.com/viz-ai-new-capabilities-ai/.
  4. “Top Artificial Intelligence Companies in Health Care to Keep an Eye On,” The Medical Futurist, Jan. 21, 2020. https://medicalfuturist.com/top-artificial-intelligence-companies-in-healthcare/
  5. “Health Care Analytics Market Worth %50.5 Billion by 2024,” MarketsandMarkets, https://www.marketsandmarkets.com/PressReleases/healthcare-data-analytics.asp.
  6. AI: Built to Scale,” Survey Report, Ketan Awalegaonkar, Robert Berkey, Greg Douglass, Athena Reilly, Accenture Life Sciences.

 

著者のご紹介
David Jensen


Westminister CollegeにてProfessional Communication、Weber State UniversityにてCommunicationの学位を取得後、Medical Product OutsourcingやBio Utahなどの媒体における執筆者として、長年従事し、現在はマスターコントロールのContent Marketing Specialistとして、Webサイトやホワイトペーパー、ブログ等に掲載される記事の執筆を担当しています。

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