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臨床試験でありがちな5つのGCP違反

2021-04-05

臨床試験は、非臨床試験で安全性が十分であるという情報が収集された後、医薬品や生物製剤、機器等について、安全性と有効性のデータを収集することを目的として実施されます。そして、GCP(Good Clinical Practice)は、臨床試験の倫理的側面を規定しており、その実施やデータなどが対象となっています。

臨床試験に対するGCPの要件

GCPには、治験薬(IP)及び試験対象となっている薬など、治験薬概要書(IB)に含まれる情報が記載されています。治験薬概要書の目的とは、非臨床試験やその他の臨床試験で収集された、ヒトを対象とした治験薬の研究に関連するデータをまとめることであり、GCPでは、臨床試験および生成されたデータの質の評価を可能にするために必要な必須文書が定義されています。

治験薬または試験薬は、製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)に基づいており、プロトコルの内容に従って使用されなくてはいけません。また、臨床試験を開始する前に、全ての被験者からインフォームド・コンセントを得る必要もあります。

臨床試験では、全てのデータの適切な記録や取り扱いと保管が求められ、被験者の記録の機密性は、適用される規制要件に従って維持し、患者の権利や安全性、健康を最優先する必要があります。また、予測可能なリスク等については、同様に予測された利点と比較して考慮されるべきです。そして、臨床試験は科学的に健全であり、明確な内容を計画書に記載し、それを遵守して試験を実施しなくてはいけません。

また、臨床試験は被験者の権利と福祉を保護する目的で、科学的及び倫理的に正しく実施できるかを審査するIRB(治験審査委員会)によって承認される必要もあります。最も重要なことですが、臨床試験は資格を有する医師によって実施されなくてはいけません。

規制要件の概要

規制要件には、医薬品や生物学的製剤、医療機器の承認に必要となるデータの条件等が記載されており、当局への申請時に提出が求められています。

この要件は米国食品医薬品局(FDA)が臨床試験に対して実施する査察の基礎となっており、以下の規制やサブパート、セクションなどの確認を行っています。

  • 21 CFR Part 50:被験者の保護
    インフォームド コンセント(IC)
     
  • 21 CFR Part 56:IRB
    総則
    組織及び人員
    IRBの機能と運営
    記録と報告
    遵守違反に対する処分
     
  • 21 CFR Part 312:治験申請(IND)
    治験依頼者と責任医師の役割


臨床試験のデータは、電子または紙の選択が可能で、どちらを使用するにしても正確で完全、読みやすく、タイムリーに記録されなくてはいけません。データのレビューは治験依頼者が行いますが、IRBやFDA、他の規制当局によって行われる可能性もあるため、試験中や試験終了後の文書を少なくとも10年間保存することが求められています。

また、FDAはIRBに対して定期的な査察を行っており、医薬品評価研究センター(CDER)がその記録を管理しています。治験依頼者は、情報公開法(Freedom of Information Act:FOIA)の手続きにより、IRBがFDAの査察を受けたかどうか、また査察の結果を知ることができます。

近年、FDAが注力しているもう一つの分野は、配合・調製の品質確保であり、より厳しい目で見られるようになってきています。特に、委託施設におけるGMP遵守を強化しており、このような施設における品質課題に行政処分等を通じて取り組んでいます。

臨床試験でありがちな5つのGCP違反

以下は、治験依頼者の依頼を受け、臨床試験を監査してきた私の経験に基づき、臨床試験の査察でFDAがよく指摘している点をご紹介します。

  1. 治験実施計画書の遵守:治験実施計画書の遵守は非常に重要であり、逸脱等が多すぎることは望ましくありません。治験依頼者によって例外処理やプロトコル違反、逸脱が確認された場合、それらは適切に文書化する必要があります(適切な署名が必要)。資格を満たしていない被験者を治験に参加させることは、よくある指摘であり、全ての被験者は、計画書に定義された適格性を満たしている必要があります。
  2. 臨床試験の記録:この記録をもって、診断または包含、除外基準が確認できる必要があります。医師(治験責任医師および治験分担医師)が監督している証拠がああり、被験者のカルテや病歴に記載されている情報が研究記録と一致しなくてはいけません。また、記録は常に安全な状態で保管し、紛失や差し替え、処分してはいけません。
  3. インフォームド・コンセント(IC):インフォームド・コンセントには、研究対象者の署名と日付が記載されており、その署名と日付は実施される前である必要があります。また、IRBが承認した最新のインフォームド・コンセントを使用する必要があり、同意を得るためには、そのプロセスを記述した適切な文書に従う必要があります。そして、最も重要なことですが、インフォームド・コンセントは、対象者が理解できる言語で書かれていなければいけません。
  4. 治験薬の管理記録:この記録は、臨床試験における重要な要素であり、記録は過去にさかのぼって記入することはできません。治験薬の保管状態を監視し、アクセス状況は管理及び記録する必要があります。
  5. 有害事象:重篤な有害事象(SAE)の報告は、被験者の安全に関わることである為、FDAにとって非常に重要です。全てのSAEはタイムリーに報告することが重要であり、症例報告書以外にも、被験者の記録にも記載しなくてはいけません。そして、全ての異常は治験責任医師によって検討し、対処する必要があります。


まとめ

覚えておくべき重要なことは、被験者の権利の保護と安全性が最も重要であるという点です。そして、治験依頼者ーによる徹底した監視や綿密な文書化、モニターによる適切な監視を通じて、実現することができます。

著者のご紹介
Michelle Sceppa


設立18年目を迎えるコンサルティング会社、MSceppa Consulting社のコンサルタントです。MSceppa Consulting社は、医薬品や生物製剤、医療機器に対するGLP(Good Laboratory Practice)やGCP(Good Clinical Practice)、GMP(Good Manufacturing Practice)など、米国の規制準拠に必要となる様々な経験や知識を有しています。そして、製薬会社やバイオテクノロジー企業の品質システムを専門としており、多くのクライアントに対して、非臨床、臨床、製造の品質保証プログラムを実施、管理しています。また、同社では、米国およびヨーロッパの企業に対して、500件以上の社内および外部監査も実施してきています。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

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