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eIFUの設計及びライフサイクルはEN62304に従うべきか?|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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eIFUの設計及びライフサイクルはEN62304に従うべきか?

2021-03-25

eIFUの配布に関する規制の背景

eIFU(電子またはオンライン形式の取扱説明書)は重要性を増しており、多くの企業がその利点を認識しています。内容によって異なりますが、eIFUを使用するメーカーは以下のようなメリットを実感しています。

  • 製造コスト、印刷コスト、人件費の削減
  • IFUのサイズ制限やカラー印刷を考慮したコスト制限がなくなり、読みやすいフォントや効果的なレイアウトが可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上
  • 更新時に必要となるIFUの作成・承認プロセス、印刷や梱包といった展開するまでの作業が容易
  • 廃棄物の削減により、ユーザーにとっては費用対効果が高く、環境にも優しい


欧州委員会(EC:European Commission)が2007年に発表したガイドライン(MEDDEV 2.14/3)にて、紙に替わるIFUの体外診断用医薬品(IVD)に対する利用が初めて許可され、当該ガイドラインにて、一般的な状況とeIFUの特定の特徴に適用されるいくつかの条件と要件が発表されました*¹。

207/2012でも、医療機器(MD)の適用範囲は広がり、インプラント型医療機器が最大のカテゴリーとなり、広範な要求事項が適用されました。

そして、更新された医療機器規則(MDR)2017/745では、製造業者が紙のIFUに切り替える場合、207/2012が引き続き適用されることを述べていますが、幾つかの追加要件が含まれています。


「各機器には、機器とその製造業者を識別するために必要な情報やユーザー、またはその他の人に関連する安全性および性能に関する情報を適宜、添付しなければならない。このような情報は、機器本体、包装、または取扱説明書に記載することができ、製造者がWebサイトを持っている場合には、Webサイト上で利用可能であり、常に最新の情報を提供しなければならない...」*²

Annex I.23.1

全ての医療機器メーカーは、Webサイトを既に持っていると思われるので、これはCEマークを取得しているすべての企業に適用されます。この要求の文言はIFUに直接言及していませんが、提供されるべき情報の性質はIFUの内容にほぼ一致しています。この要件を満たす最も簡単な方法は、IFUをWebサイトに掲載することであり、これは多くの企業で一般的に行われています。また、IVDR 2017/746には、Annex I.20.1に引用されているように、同じ要件があります。

新規制では、eIFUに適用される要件は明記されていないですが、eIFUは紙のIFUに替わるものではなく、紙のIFUに加えて提供されると位置づけられています。しかし、ユーザーは機器を使用する際にeIFUに依存する可能性があるため、この文脈におけるeIFU向けプラットフォームは、紙に代わるeIFUシステムと同じ管理を行うべきと考えられます。

品質マネジメントシステムの要件

eIFUのプラットフォームは、品質マネジメントシステム(QMS)で使用されるソフトウェアです。したがって、EN ISO13485:2016の4.1.6項が適用され、この要求事項には、ソフトウェアのバリデーションが求められています。

ほとんどの場合、QMSで使用されるソフトウェアは、医療機器メーカーが開発したものではなく、多かれ少なかれカスタマイズされた市販のソフトウェアが使用されています。このEN ISO13485:2016の要求事項は、ソフトウェアの選定の正当化と、企業での導入のために開発された特定のアプリケーションの妥当性を確認すれば十分と考えています。妥当性確認の作業内容は、標準的なソフトウェアがどれだけ企業の要求を満たしているか、あるいはどれだけのカスタマイズが必要かによって異なります。また、この規格では、バリデーションおよび再バリデーションは、機器の使用に伴うリスクに比例したものでなければならないとしています。IFUは、機器の適切な使用に大きな影響があり、必要な警告や注意事項が記載されているため、eIFUの管理状態を保つためにはバリデーションなどの対策が必要となります。

自社で開発したQMSソフトウェアの場合、市販のソフトウェアに比べて、QMS要件を満たすためには明らかに膨大な作業が必要です。QMSや規制の要求事項を理解していないベンダーが行うことは、より広範なバリデーションの必要性と問題発生のリスクを高めることになります。しかし、QMSの原則と規制要求事項を考慮して、意図された目的のためにベンダーが特別に開発し、検証したソフトウェアを購入すれば、検証の手間と失敗のリスクを大幅に減らすことができます。このことは、紙のIFUを置き換えることを目的としている場合でも、Annex I.23.1(IVDの場合はAnnex I.20.1)の要求を満たすことを目的としている場合でも適用されます。

設計監理とEN/IEC 62304はeIFUソリューションに適用すべきか?

設計管理に関するEN ISO13485:2016の7.3項は、医療機器ソフトウェアを含む医療機器の設計・開発に適用されます。EN 62304:2006は、医療機器ソフトウェアの設計およびライフサイクル管理に関する規格であり、この規格を適用することは、その先の法規制要件への適合も目的としています。この規格はまだMDRやIVDRとは整合性が取れていませんが、あらゆる医療機器ソフトウェアに適用することが強く推奨されています。

しかし、eIFUのプラットフォームは医療機器そのものなのでしょうか?なぜ設計管理やEN 62304を考慮しなければならないのでしょうか?

認証機関(Notified Body)がメーカーに設計監理やEN/IEC 62304の適用を期待しているかどうかは明らかではないですが、認証機関はeIFUソリューションの規制対応を慎重に検討しています。

経験上、多くの医療機器メーカーは、IFUを医療機器の一部と考えています。したがって、IFUをユーザーに提供するeIFUのプラットフォームも、医療機器自体と同様に厳しい要件を満たすべきであると考えられます。このような理由から、eIFUに対するソリューションを導入する際は、設計監理とEN 62304に対応することが論理的です。これにより、プラットフォームを適切に管理し、認証審査の際に認証機関との間で起こりうる問題を排除することができます。

参照

  1. MEDDEV 2.14/3 rev 1, European Commission, January 2007.
  2. Medical Device Regulation.

     

著者のご紹介
Dirk Stynen


Dirk Stynen(1957年、ベルギー生まれ)は、生物学で博士号を取得し、企業経済学の大学院を修了後、科学研究や診断用アッセイの開発、品質システムの導入、臨床研究、規制対応など、幅広い業務経験を有し、ビジネスのあらゆる側面を理解しています。また、4ヶ国語(オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語)に精通している為、欧州内外での効率的なコミュニケーションが可能です。また、Stynen氏は、欧州委員会のIVD技術グループに参加しており、ベルギー代表としてCEN(欧州標準化機構)のTC140のWG2に参加し、IVDの規格開発も担当しています。

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