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医薬品の開発や承認を促進、データへのアクセスを強化する3つのポイント|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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医薬品の開発や承認を促進、データへのアクセスを強化する3つのポイント

2021-04-22

アストラゼネカ社の開発した新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性に関する主張をめぐる最近の騒動は、政府や当局がデータの正確性をいかに重視しているかを再確認させました。新型コロナウイルスに対して79%の有効性があったとするプレスリリースを発表後、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は、同社は治験の古い情報を盛り込み、有効性データの不完全な見解を提供した可能性があるとの見解を示しました。*¹同社のワクチンの有効性は、実際には僅かに低いと考えられていますが(NIAIDはそれでも非常に良いワクチンである可能性が高いと支持)、不正確なデータを発表するというミスは、一般の人々に同社の製品に対する不安を抱かせることが懸念されます。*²

ただし、データに関連するアストラゼネカ社のミスは、珍しいことではありません。新型コロナウイルスに対するワクチンの研究や開発、提供に対する熾烈な競争を通じて、ある重要な事実を製薬業界は再認識することになりました。それは、治療法の確立に向けたスピードに世論の注目は集まり続けた一方、当局としては、データの信頼性の低下が結果として、開発スピードを下げる要因になりうると強調していたことです。

Stephen Hahn博士も、FDA(米国食品医薬品局)の長官としての任期が終了した後も、薬事の観点における高品質なデータの重要性を繰り返し強調していました。

「私たちは、より多くの優れたデータを得るために全力を尽くすべきであり、その為には、積極的なデータ収集と、クリエイティブで徹底した分析が求められます。このような活動を推進することで、薬事における様々な決断をサポートし、今日の画期的な科学的発見に対する開発や承認を、より効果的に迅速に実現することができるのです。」*³


当局が重視するデータ品質への対応

当局は、最高品質の実用的なデータを重視しており、企業はそれに従わなければなりません。ガートナー社が製薬企業の経営者に対して実施した最新の調査結果によると、業界全体としてデータ利用の改善が急務である傾向が出てきており、CIOを対象とした投資の優先順位に関する調査でも1位となったのはデータ分析でした。*⁴

製薬企業がデータの質を改善する為に、データの作成や収集、活用に新たな手法を採用する傾向は、安全性や有効性という必須条件を満たしながら、イノベーションを支援し、より効果的な製品を開発する上で中心的な役割を果たすとFDAも述べています。*⁵また、デロイト社でも、データを重視するFDAや他の当局を企業が追随することで、データ・コネクティビティーをより重視するようになり、承認の迅速化や製品の価値とリスクに関する情報の普及が促進されると予測しています。*⁶

また、デロイト社のリサーチ担当者は、特に個別化医療の分野において、製薬企業は医薬品開発の投資回収を向上させる必要に迫られていると指摘しています。また、同様に重要な点として、医薬品の有効性に関して、よりデータ主導な医療システムにも備える必要があると述べています。*⁷

当局や製薬企業がデータの品質に対する取り組みを強化することで、全てのデータの価値が高まってきています。その結果、既存のデータを効果的に連動し、より有意義な方法で運用する方法を見出すことが重要になってきています。


データの隠れた可能性を引き出すための3つの戦術

製薬会社は、データが構造化されていない、または整理されていない状況であっても、既存のデータに対して新たな考察を行う3つの方法があります。

#1. 新型コロナウイルスに対する効果的な戦略を採用

新型コロナウイルスに適切な対応ができていた企業では、データの活用や連携に対して革新的な方法を見出しています。自社に近い企業を探し、その成功例を確認してみましょう。困難な状況に直面しながらも、柔軟性と先見性を発揮し、自社の医薬品開発サイクルに組み入れた方法を策定した企業が間違いなく存在しています。そのように対応することで、概念としての理論を実行し、成果に繋げることで、業務プロセスのスピードアップと高品質な製品の生産をバランスよく両立することができます。

#2. プラットフォームに対する投資

データやアプリケーション、プロセスを共通のアーキテクチャーに統合することで、様々なメリットを生み出すことができます。複数のアプリケーションを個別に組み合わせるのではなく、1つの統合されたOSの中で実行することで、データやプロセスのガバナンスを大幅に向上するからです。また、直接的なシステム間の連携による安心感に加えて、ビジネスとしての競争力の維持に必須となる新技術導入における基礎を総合的なデジタルフレームワークとして構築することができます。

#3. 主要なシステム間における連携を行い、データ構造を統合

これまで、サイロ化とも呼ばれるような個別に管理されていたシステムの情報を、企業が保有する全てのデータの最新版を一箇所で管理する仕組みを構築することができます。このように強力に統合されたプラットフォームを構築することで、全ての主要なシステムや業務プロセスにおけるシームレスなデータ共有と一貫性を実現することができます。


データ連携におけるプラットフォーム・アプローチの利点

データやプロセスを共通プラットフォームに統合することは、単に次の危機に備えるだけではなく、よりスマートな業務の推進やコスト削減、市場展開へのスピードアップなど、効率性全体を向上することができます。BCG社の調査によると、スピードや俊敏性といったデータの側面を重視してプラットフォーム・アプローチを採用した企業(数年かけて基幹システムを個別に電子化するのではなく)は、次のような利点をえることができます。

  • Time-to-Value(価値実現までの時間)を半分の時間で実現、価値は2倍に
  • コストが50%削減
  • 複数の基幹システムに分散したデータを統合管理するデータレイヤーを構築
  • シンプルなインターフェース
  • 組織の俊敏性とチームワークの向上
  • データがより早く「活動する」ことにより、競合に対する優位性を強化*8


マスターコントロールのプロダクト・ライフサイクル・マネジメントのWebページにて、プラットフォームの統合によるデータの連携や運用の改善に関する様々な方法をご紹介しています。


参照

  1. AstraZeneca Will Release More Vaccine Data As Health Officials Detail Worries,” Kaiser Health News Morning Briefing, Mar. 24, 2021.
  2. Astra Zeneca commits to more vaccine data after concerns from NIH,” Axios, Mar. 23, 2021.
  3. FDA’s new chief stresses data, consumer empowerment and innovation,” Medical Design & Outsourcing, Jan. 31, 2020.
  4. 2020 CIO Agenda: Life Science, Medical Equipment and Other Science-Based Manufacturers’ Perspective,” Michael Shanler, Gartner, Dec. 19, 2019.
  5. Remarks by Dr. Hahn to the Public Meeting on Rare Diseases,” FDA website, Feb. 24, 2020.
  6. A bold future for life sciences regulation: Predictions 2025,” Deloitte Centre for Health Solutions, Nov. 2018.
  7. The future of pharma services: The growing impact of data in outsourced pharma services,” Deloitte, 2020.
  8. Digital Accelerations is Just a Dream Without a New Approach to Tech,” Karalee Close, Antoine Gourevitch, et al., BCG, July 2020.
     

著者のご紹介
James Jardine


ユタ大学にてジャーナリズムを専門としてコミュニケーションの学位を取得後、コミュニケーションやオペレーションの分野にて従事、American Cancer Societyのユタ州及びアイダホ州のディレクターやUtah Food BankのGrants/Contract Managerも歴任しました。2007年にマスターコントロール米国法人に入社後は、マーケティング コンテンツ ライターとしてライフサイエンスやテクノロジー、法規制対応等を中心にマスターコントロール及び他の媒体向けに様々な執筆を行っています。

本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

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