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品質課題を解決する ~根本原因を超えた本当の原因を対処~|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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品質課題を解決する ~根本原因を超えた本当の原因を対処~

2021-05-27

品質管理の現場では、問題の根本原因と真の原因を混同してしまう場合があります。根本原因とは、品質問題の客観的証拠のことです。しかし、品質問題の本当の原因は、実際の所見や不適合に存在しています。
 
品質問題の真の原因を明らかにするには、根本原因の特定とは異なる詳細な調査が必要であり、この点に誤解があると、次のような事態が発生します。
 
  1. 変更を行なった製造施設で、深刻な品質問題が発生
  2. 関係者とコンサルタント(内容次第)から構成されたチームが問題を調査
  3. 根本的な原因を発見
  4. 是正措置/予防措置(CAPA)を実施
  5. 問題を解決
  6. 別の変更を実施すると、他の問題が発生した際に同等のフローを繰り返す
 
長年、品質管理に携わってきた方であれば、このように繰り返されるパターンの傾向に心当たりがあるかと思います。そして、変更に関連する根本原因が複数発生している場合、より根深い原因が存在していることを疑う必要があります。
 
本当の原因と考慮すべき品質問題の6つのポイントとは
 
Allan Sayleは、経営監査に関する基本を解説した著書で、全ての品質問題には本当の原因と位置付けられる6つのポイントが存在していると結論づけています*1。Sayleは、このポイントを見出す上でヒントとなる指標を示しており、この内容を特定することで、監査担当は品質問題に対する本当の原因を適切に把握することができると述べています。そして、対象の品質問題を下記のいずれかに分類することで、本当の原因を特定し、その内容の軽減または除去といった対処に繋げることができます。
 
#1:組織体制の欠如
  • 責務や権限が不明確(要件を満たす製品を開発する上で、誰がどの作業を行い、責務の所在が混乱している)
  • マネジメントシステムが定義されていない(部門や個人間のコミュニケーションの方法や手段の完全性や継続性が形成していない)
  • 特定の部門の専門家によって作成された情報などのコミュニケーションが不十分
 
#2:教育不足
  • 担当者がシステムや手順に関する教育を受けていない、または誰と連絡すべきかを把握していない
  • 社内教育が不十分(例:管理者が品質保証に関するマニュアルを作成し配布しているが、ユーザーはその内容に関する教育を受けていない)
 
#3:規律の欠如
  • 上司や管理者が設定した悪い事例に従ってしまう
  • 品質に関する取り組みが組織全体に浸透していない為、課題や反発がある
  • 個人レベルで決められた方法を順守できない状況がある
  • 拡張性の無いシステムは、革新性や俊敏な思考、課題解決に対する創造性を阻害
  • やる気を阻害する環境
 
#4:人員不足
  • 過度に複雑なマネジメントシステムは人員を浪費している場合がある
  • 人員の消費が不明確(割り当てたリソースの全てが常に消費されている)
  • 人員配分が不均等
  • 予測が非現実的
  • 投資が不適切(例:市場の変化を考慮せず、前年の予算をそのまま移行)
  • 新技術の採用や検討の欠如
 
#5:時間の不足
  • システムが複雑な為、時間の浪費や不要な作業が発生
  • 時間の消費が不明確(例:割り当てた時間の全てが常に消費)
  • 求められている品質と時間が十分に考慮されてない
  • 納期が近づいてくると、現場に圧力がかかるような環境
  • 業務量が膨大
 
#6:経営陣によるサポートの欠如
  • 態度・姿勢、モチベーション(例:品質を優先しない、自分には関係ないと思ってしまう企業文化)
  • 品質の重要性や実現する手法に対する教育が管理職に対して不十分
  • 時間管理(例:品質管理の担当者が、発生した問題への対処(火消し)に多くの時間を費やしており、改善等を積極的に取り組む時間が取れず、その結果、自滅的なサイクルに陥っている状態)
  • 過信、自己満足(評判や過去の実績があれば、品質問題が起きても対応できるという思考)
 

さて、どのような問題を把握すべきかを理解した後は、その問題を特定し、対処する為に必要となるスキルとツールを担当者に提供する工程に移ります。
 
品質問題を判別する為の認定制度
 
品質管理手法は、国や業界によって大きく異なる為、品質問題を判別する認定制度についても、全ての分野で適用可能な物はありません。しかし、米国品質協会(ASQ:American Society for Quality)が提供する認定制度のように、特定の品質に関する知識に精通し理解していることを、正式に認定する制度はあります。
 
ASQでは、以下のような分野で専門的な認定を行っています。
 
  • マネジメント(例:組織的な取り組み、サプライヤー管理など)
  • 品質の基礎(品質改善、プロセス分析など)
  • 検査(機器の校正など)
  • エンジニアリング(ソフトウェアの開発や導入、テスト、検証、バリデーションなど)
  • 監査(医薬品、医療機器、食品の安全性等の品質)
  • シックスシグマ(プロセス改善)
 
品質問題に対する認定制度を希望する方に対して、ASQは品質検査員認定制度(CQI)に関するトレーニングを提供しています。CQIでは、製品の検査やプロセス性能の測定、データの記録、ハードウェアに関する文書の評価、試験室における手順、正式な報告書の作成などに関する手法を学ぶことができます。
 
本当の原因を究明するには最適なツールが必要
 
前述のような本当の原因を認識し対処することで、品質問題の発生や深刻な状況に陥る可能性を劇的に減らすことが可能であり、CAPAのやり過ぎによる機能不全のような状態も軽減することができます。しかし、効率的かつ効果的に実践するには、適切なツールが必要です。
 
QMS(品質マネジメントシステム)の電子的な統合管理が可能なツールであれば、このような本当の原因を認識することは容易であり、開発から製造まで、製品のライフサイクル全体で共有可能なアーキテクチャー上にて、品質に関するデータを共有することができれば、より効率的に管理を行うことができます。このように、様々な領域を連携し、リアルタイムで品質に関するデータを把握できる運用環境を整えることで、より明確に課題を把握することができます。
 
弊社が提供する製品ライフサイクル管理ソリューションの詳細は、こちらの製品ページからご覧ください。
 
参照
 
  1. Management Audits: The Assessment of Quality Management Systems,” Sayle, Allan J., 1988, McGraw-Hill, pp. 18.21-34.
     

著者のご紹介
James Jardine


MasterControl Inc.のマーケティング・コミュニケーション担当です。ユタ大学でジャーナリズムの学士を取得しており、ユタ州ソルトレイクシティにあるマスターコントロール本社にて勤務しています。


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