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eIFUに対する認証機関の期待とは|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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eIFUに対する認証機関の期待とは

2021-06-23

欧州では、埋め込み型など特定の医療機器や研究所で使用されているIVD(体外診断用医薬品)の企業は、紙の取扱説明書(IFU)を電子(eIFU)に置き換えることが可能です。医療機器に対する条件や要件は207/2012、IVD向けはMEDDEV 2.14/3(2017年)に記載されています。

尚、ソフトウェアに組み込まれている、もしくは医療機器に内蔵されたeIFUは、本稿でご紹介する内容とは異なりますので、ご注意ください。

さて、安全に利用する上で、利用者が必要な時に正しいIFUにアクセスできることは重要であり、その点から、eIFUは厳しい規制要件の対象となっています。そして、その要件に対する適合状況は、認証機関(Notified Body)が確認しており、eIFUの設計や導入に関する検証を行なっています。

認証機関の立場としては、eIFUの導入はQMSに対する重大な変更であると考えており、企業はこの変更に対する申請書を提出し、適切に導入されていることを査察等を通じて立証する必要があります。特に、サイトの設計や検証、妥当性やラベリング、そして、QMSに対する変更を注視する傾向にあります。


リスク管理と設計

前回の記事では、ユーザー要件や機能仕様、そして、Webプラットフォームに対する検証及びバリデーションの重要性についてお話しました。ISO 13485の設計管理やソフトウェア・バリデーションの適用など、より具体的な内容であれば、EN/IEC 62304の設計及びソフトウェアのライフサイクル管理を適用することで、より価値のある業務フロー等を構築することができます。

認証機関は、ユーザー要件やバリデーションの実施等を文書化し、その各工程を企業が文書化することを期待しており、ユーザー要件と機能要件については、207/2012とMEDDEV 2.14/3の要求事項への対応が明確に求められています。

eIFUの設計については、前述の記事を参考にしていただければと思いますが、リスク管理については、重要な情報源として、特に注意する必要があります。例えば、機器の梱包時に紙媒体を含まないことのリスクについて評価すべきです。リスク管理や緩和対応、リスクの許容範囲、市販後監視の活動がeIFUに関連するリスクを注視しているかといった点は、認証機関が確認する項目になりますので、適切な対応が求められます。

また、インターネットにアクセスできない方々や、その他の理由で紙媒体の提供を求める方々に対して、紙のIFUを提供できる仕組みを構築することで、リスクを軽減することができます。法規制としては、リスクアセスメントで設定された期限(7日以内)に無料で提供することを求めており、ヨーロッパ全域または全世界を対象としたフリーダイヤルの設置が適切であり、IVDの場合は必須要件となります。


ラベルの確認

ユーザーが正しい版のeIFUにアクセスできる環境の構築は、安全で効果的なeIFUの運用に必要不可欠であり、認証機関は、ユーザーをどのように適切なeIFUに導いているのかを確認しています。法規制では、機器またはパッケージとして入手可能であることを求めていますので、シンボルマークと組み合わせ、ラベルにeIFUへのURLを表記することで、要件を効率的に満たすことができます。

IFUに対するユニークな識別子や版数は、eIFUが正しく機能する為の重要な要素です。EC(欧州委員会)は、207/2012に代わるドラフトに対する意見募集を開始し、この中で、ユニークな識別子として、基本的なUDI-DI及びUDI-DIを提案しています。このアプローチは適切なように思えますが、より深く考察してみると、必ずしもそうではないことが分かります。

また、ラベルとIFU以外にも、IFU変更時におけるユーザーへの通知方法ついて、プロセスを確立することが求められています。


QMSの確認

eIFUに直接的または間接的に関係する規制要件を慎重に分析することは、eIFU導入がQMSに与える影響を的確に把握する上で必要です。eIFUを導入することは大幅なコスト削減に繋がりますが、初期導入の段階では、十分な時間とリソースをかける必要があります。

認証機関も、その導入プロジェクトに対する有効性の確認を行なっており、eIFUやラベルの内容の管理、在庫管理、包装工程、物流工程、ERPシステムへの影響に関連する手順に対する変更管理を確認しています。また、ウェブプラットフォームの管理に対する手順の有効性やセキュリティー対策の確認も行なっています。


まとめ

eIFUの導入は、QMSへの重大な変更であり、かなりの作業量を想定する必要があるでしょう。その為、EN62304にやISO13485をサポートし、情報セキュリティー管理システム分野においてISO27001を取得しているソリューションを採用し、作業量を削減し、より効率的な運用を目指しましょう。
 

著者のご紹介
Dirk Stynen

Dirk Stynen(1957年、ベルギー生まれ)氏は、生物学で博士号を取得し、企業経済学の大学院を修了後、科学研究や診断用アッセイの開発、品質システムの導入、臨床研究、規制対応など、幅広い業務経験を有し、ビジネスのあらゆる側面を理解しています。また、4ヶ国語(オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語)に精通している為、欧州内外での効率的なコミュニケーションが可能です。また、Stynen氏は、欧州委員会のIVD技術グループに参加しており、ベルギー代表としてCEN(欧州標準化機構)のTC140のWG2に参加し、IVDの規格開発も担当しています。

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