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20年が経過した今、21 CFR Part 11が最も重要に|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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20年が経過した今、21 CFR Part 11が最も重要に

2021-08-24

90年代後半、FDA(米国食品医薬品局)は、21 CFR Part 11(通称Part 11)のガイダンスを発表しました。電子的な記録や署名でも、紙の記録や手書きの署名と同等に有効であるという内容です。このガイダンスは、ライフサイエンス業界における現代の技術革新の先駆けであり、データ及び記録管理の在り方を大きく変えました。

Part 11 は、下記の例を含む様々な文書に適用することができます。

  • 試験報告書
  • 品質管理に関わる試験の結果
  • 製造記録
  • 設計文書
  • 仕様書
  • 市販前の申請内容など


テクノロジーは、私たちの生活のあらゆる面において必要不可欠であり、自動化やモバイル端末、アプリ等、日常的に利用にしています。企業においては、業務プロセスや情報管理、機器、人材、製品、通信等を通じて膨大な量のデータを生成しています。

Part 11は、データやシステムの完全性、電子署名の有効性を保護しながら、電子署名の使用を可能な限り認めることを目的としています。そして、ライフサイエンス分野の製品開発に対するテクノロジーやデータの普及により、この規制はこれまで以上に重要な意味を持つようになってきています。


データへのアクセスと保護

豊富なデータやと、そのアクセスの容易性は、ライフサイエンスにおけるイノベーションの原動力となっています。例えば、健康記録の管理や医療従事者との共有、治療の計画やモニタリング、緊急時のサポートなどの機能等を備えたeHealthPassを提供するGnomon Informatics社では、最近当局からの承認を取得しました。また、同製品は、医療従事者が設定した異常事態が発生した場合、アラートを配信する機能も装備しています。*¹

Part 11のSection 11.10では、「電子記録の作成や変更、維持、送信を目的としてクローズド・システムを使用する者は、電子記録の真正性や完全性及び必要に応じて機密性を確保するよう設計された手順及び管理を採用しなくてはいけない。」と記載されています。*² eHealthPassのようなシステムは、データを中心に位置付けており、特に電子記録や文書を重要視しています。このような種類のシステムは、ヘルスケアの標準となりつつある為、Part 11への対応が求められます。


バリデーション

11.10 (a)では、正確性や信頼性、機能の安定性、改ざんや無効なデータを識別する機能を搭載したシステムの検証に適用されます。*³ そして、多くの方々の懸念がバリデーションであり、全てのシステムをバリデーションしなくてはいけないと考えている方も少なくありません。

2003年、FDAはPart 11に対する再検討を実施し、バリデーションとは、電子記録の作成や変更、維持、保管、取得、送信を行うシステムのみが対象となることを明確化しました。その為、製薬会社で運用する経理システム等は、製品の品質に影響がない為、バリデーションが不要となる点が明確になりました。一方で、臨床試験の文書管理に使用しているソフトウェアは、製品の品質に直接的に影響する為、バリデーションも必要となります。その為、この規制要件への対応として、製品の品質や安全性に対する各システムの影響を判断する為、リスクアセスメントの実施が推奨されます。


監査証跡

監査証跡に関する条文であるSection 11.10 (e)には、データや記録の管理に関するFDAの先見性を見ることができます。この条文では、「電子記録の作成や変更、削除を行うオペレーターのログイン日時や操作内容が自動的かつ安全、そして、独立して作成可能な監査証跡」を企業が使用することを求めています。*⁴

基本的に監査証跡とは、変更した人や内容、時間、理由など、データに関するユーザーの行動やイベントの再構築が可能となるメタデータを含むログを示しています。その為、変更管理に役立つだけでなく、データの改ざんや捏造を明らかにすることも可能です。

また、Part 11は、電子システムの利用を義務付けるものではなく、コンプライアンスに関わる業務で電子システムを使用している企業向けの要求事項を規定しています。しかし、コロナ禍のロックダウン等により、出張や対面での打ち合わせが制限された為、電子化に対する需要は急速に伸びてきています。査察官も同様であり、訪問や打ち合わせが制限され、オンサイトでの査察が実施できません。その結果、この課題への解決に向けた取り組みの一つとして、医療用製品に関する審査や承認の代替手段を検討した結果、リモートでのデータや文書のレビューが選択肢の一つとなっています。

そして、必要に応じて文書をリモートでアクセス可能な運用環境に加えて、Part 11に準拠したタイムスタンプを含む監査証跡に対応するには、データや文書を電子化する必要があります。その為には、紙で運用している場合は全ての文書をスキャンし、電子的にファイルの管理を行い、トラッキングもする必要があります。しかし、大量の文書をスキャンするには膨大な時間がかかる上に、ミスやページの欠落など、様々な問題も発生しがちです。

FDAが21 CFR Part 11を開始した当初、文書や記録の管理は多くのケースで紙運用を行なっていました。しかし、テクノロジーの進化に伴い、QMS(品質マネジメントシステム)に関する業務に電子化の技術が使用されるようになったことで、21 CFR Part 11の重要性がこれまで以上に増してきているのです。

参照

  1. Gnomon Informatics Gets CE Mark for Medical Device Software,” FDANews, July 15, 2021.
  2. Code of Federal Regulations Title 21 Part 11 Subchapter A: Electronic Records; Electronic Signatures,” U.S. Food and Drug Administration (FDA), Revised as of Apr. 1, 2020.
  3. Supra note 2.
  4. Supra note 2.
     

著者のご紹介
James Jardine

David Jensenは、Westminister CollegeにてProfessional Communication、Weber State UniversityにてCommunicationの学位を取得後、Medical Product OutsourcingやBio Utahなどの媒体における執筆者として、長年従事し、現在はマスターコントロールのContent Marketing Specialistとして、Webサイトやホワイトペーパー、ブログ等に掲載される記事の執筆を担当しています。


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