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CAPAをシンプルにする5つのステップ|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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CAPAをシンプルにする5つのステップ

2021-09-10

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2020年の行政査察は従来より大幅に減少した為、医療機器メーカーの品質課題等の発生時に当局より発行される、Form 483の発行数も半分程度に留まっています。その状況下でもCAPA(是正措置・予防措置)は、指摘事項として最も件数が多い事例として長年上位に入っており、昨年の483件の指摘事項の内、12.3%がCAPAに関係しています。*¹

昨年の事例の中で、21 CFR Part 820で最も指摘の多かったサブセクションが820.100 (a)、CAPAの文書化に関する要件が規定された条項です。実際にCAPAについて言及のある197件の内、165件は医療機器メーカーがCAPAの手順を適切に文書化できていない点が要因となっています。

多くの医療機器メーカーでは、CAPAに関する大部分の業務を適切に運用できている一方、文書化が不十分であるという問題が繰り返し発生する傾向は、FDA(米国食品医薬品局)が求めるレベルでCAPAの文書化に必要な作業ができていない状況を示しています。

CAPAに関するデータの収集に苦労している企業でも、CAPAに対する文書化のプロセスが不十分な企業でも、そのプロセスをシンプルにし最適化することが可能な5つのポイントがあります。次にご紹介する実用的な手法を取り入れることで、医療機器メーカーは効率性を改善、法規制要件としての文書化を満たし、これを維持することが可能となります。

尚、ご紹介する手法の一部は負担となることもあり、また、全てを同時に完了しなくてはいけないものでもありません。自社のリソースやビジネスニーズに合わせて、最も管理しやすい内容からスタートし、最終的には5項目の全てを実現することを目指していただければと思っています。


1. 文書化のプロセスに対する電子化を通じて効率性を強化

効率的に文書化のプロセスを行うには、CAPAに関するデータを集約して管理可能なソリューションが効果的です。そのようなソフトウェアは、効率性の改善を目指しており、より包括的な文書を容易に作成すること、更にCAPA及び関連文書のレビューや承認、通知、エスカレーション等が可能です。また、電子で文書を管理することで、査察や監査の対応時の文書の検索も簡単になります。

このようなソフトウェアを自社独自に開発する場合でも、市販のソフトウェアを採用する場合でも、次の2つの機能を必ず抑える必要があります。

  1. 調査に関するデータから報告書を作成
  2. 法規制等に関係する文書を適切に運用及び保管


2. 報告及びトラッキング機能の自動化

21 CFR Part 820.100のサブセクション6及び7では、「品質問題や不適合に関する情報を、品質保証または問題の防止に直接責任を持つ者に展開し、確認された問題に関する関連情報やCAPA(是正措置・予防措置)をマネジメントレビューに提出する」ことを規定した手順の確立を企業に求めています。そして、CAPA管理に効果的なソフトウェアには、バリデーションされたCAPAのテンプレートから報告書の作成や共有が可能な機能が搭載されています。*²

また、820.100 (a) (1)では、繰り返し発生する品質問題を特定する為、必要に応じて、適切な統計的手法を採用しなければならないことを強調しています。報告やトラッキングに対して効果的な機能を搭載したソフトウェアは、このような取り組みを支援し、当局に誤ったメッセージを送る可能性の高い「問題を対処するのでは無く、最小化する為、統計を企業が誤用している」といった状態を防ぐことに繋がります。*³


3. CAPAに関する情報に対するアクセスの容易性

CAPAでは、一般的に製造と品質の問題に焦点を当てている為、他の部門には実際の調査段階に来るまで何も知らされていないことはよくあることです。しかし、このような情報共有の不備は、情報やシステム、プラットフォームが孤立するサイロ化と呼ばれる状態を引き起こします。その為、製品のライフサイクル全てに関わるデータの管理が可能なプラットフォームを使用することで、関連している全ての情報を簡単に把握することができます。また、CAPAに進む可能性のある事象の全てを可視化することが可能なソフトウェアであれば、より効果的にトラッキングを行い、適切に対処することも可能です。


4. CAPAの標準的な手順を策定

CAPAに関する情報を全ての部門で利用できるようにするには、関連する全てのプロセスを統一する必要があります。しかし、CAPA管理に特化して開発されたソフトウェアであれば、CAPAに関わる一連のプロセスを標準化し、法規制対応を促進できるフォームやワークフローが既に搭載されています。

関連する他のプロセス(苦情や監査等)からCAPAを自動的に起票できる機能を搭載したソフトウェアを活用できれば、CAPAのプロセス全体の更なる合理化を推進し、文書化の正確性や網羅性を強化することも可能です。システム連携によって複数の報告書間の関連付けが維持できれば、プロセス全体の透明性が高まり、関係する担当者全員がCAPAの要因となった事象を簡単に把握できるようになります。また、CAPAの開始から終了までを確認できるようになることでデータの収集が容易となり、査察官や監査担当者に、規制要件等に完全に準拠した文書を提示することに繋がります。


5. CAPAを品質に関わる全ての業務プロセスと統合

効果的で効率的なQMS(品質マネジメントシステム)の鍵となるのは、様々な業務プロセスとの統合です。CAPAに対するソフトウェアの導入を検討する場合、まず、苦情管理や不適合管理教育管理変更管理など、CAPAに関係する他の業務プロセスとの連携・連動がソフトウェアとして可能であるか、確認する必要があります。例えば、適切に連携・連動したソフトウェアであれば、CAPAを要因として設計変更を実施し、その変更が承認された後、教育を自動的に配信できる仕組みを搭載しています。また、CAPAを引き起こした顧客からの苦情を必要に応じて自動的にエスカレーションできる機能等も効果的です。より深いレベルで業務プロセスの統合を実現することができれば、品質や他の関連部門が同じ情報を共有できるようになり、CAPAの文書化やトラッキングも容易となります。

本稿でご紹介した5段階のステップは、医療機器メーカーにおけるCAPAの文書化の大きな改善に繋げることが可能です。しかし、すぐに変化を感じることができるものではなく、CAPAの文書化を継続的改善に向けた活動の一環であると捉えることが重要です。また、完全な電子化やQMS全体の連携・連動が可能なソフトウェアの導入に近づくと、今回ご紹介した各ステップを更に小さなタスクに分類し、より体系的に取り組むことができるようになります。

参照

  1. The Top 10 Most-Cited Issues In FDA FY2020 Medical Device Inspections,” by Adam Atherton, Med Device Online, April 26, 2021.
  2. Title 21, Part 820 – Quality System Regulation, Subpart J, Sec. 820.100 Corrective and preventive action,” CFR – Code of Federal Regulations, April 1, 2020.
  3. Medical Devices; Current Good Manufacturing Practice (CGMP) Final Rule; Quality System Regulation,” 52602 Federal Register, Vol. 61, No. 195, Oct. 7, 1996.

 

著者のご紹介
James Jardine

MasterControl Inc.のマーケティング・コミュニケーション担当です。ユタ大学でジャーナリズムの学士を取得しており、ユタ州ソルトレイクシティにあるマスターコントロール本社にて勤務しています。


本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

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