MASTERCONTROL NEWS
コラム
2022-02-15
米国食品医薬品局(FDA)は、医薬品産業に対して数多くのガイダンスを提供しています。その中で特に重要な文書が「医薬品の適正製造基準に係わる規制(cGMP)における品質システムからのアプローチ」です。あなたの会社がこの品質システムガイダンスのことを知らなかった場合や、再教育を通じて内容をより深く理解する必要がある場合、この小文は適切な指針となるでしょう。
医薬品産業の品質システムとcGMPの簡潔な背景
この品質システムガイダンスは2006年に策定されましたが、その目的は、医薬品会社が医薬品の適正製造基準(cGMP) に係わる規制に完全に適合した品質システムを運営するのを支援することにありました。このガイダンスが発表されたとき、当時FDAのオペレーション担当副コミッショナーであったDr. Janet Woodcockは、「このガイダンスは現代の品質管理原則を製造に対するFDAのアプローチに織り込んでおり、医薬品業界における新たな技術的進歩の受け入れと統合された品質システムの採用を奨励するものでした」と語っています。*¹
Dr. Woodcockのこの言葉は今日でも真実のように思えます。このガイダンスと、ごく最近に策定された新たなFDA規制は、医薬品製造者が操業を合理化し、品質を改善し、より効率的かつ低コストで薬剤を製造するためにデジタルツールを採用するのを奨励しています。
医薬品製造における品質システムに関連する7つの重要なコンセプト
この品質システムガイダンスは、FDAが現代の品質システムを検討する上で極めて重要と見なす7つのコンセプトを、医薬品製造の範囲内で定義しています。*²
品 質:
これは、薬剤の安全性と効能を確保する上での製品の強度、純度およびその他の特性を意味します。
設計品質および製品開発:
製品の設計と開発ならびに、製品が予め設定された品質を確実に達成できるようにするため製品開発時に用いる、関連する製造プロセスの設計/開発のことです。
品質リスクの管理:
これには、品質問題が孕むリスクを評価すること、リスクのレベルに応じたリスク管理/制御を選択して実行すること、およびリスク管理への取り組みの結果を評価することが含まれます。
是正・予防措置 (CAPA):
これは、基準からの逸脱を調査、理解および是正しながら再発を予防することに注力することです。
変更管理:
これは、意図せざる結果が生じるのを防ぐために変更を管理することです。
品質ユニット:
ある組織内にあって、一般的な業務慣行の中で品質対策を促進していくグループのことです。
6つのシステムによる検査モデル:
医薬品製造者がcGMP規制に適合するのを支援できるモデルのことです。この検査モデルにおける6つのシステムとは、品質、製造、施設/機器、検査室管理、材料、および梱包/ラベリングに係わるシステムです。
上記の用語は、FDAガイダンスで概要が述べられている品質システムを理解するための基盤を提供してくれます。このFDAガイダンスは、ここをクリックすれば閲覧できます。
参 照:
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