MASTERCONTROL NEWS
コラム
2022-02-15
製薬業界では、より強靭なサプライチェーンの構築に注力しており、それは重要なことですが、製薬会社にとっては、製造におけるヒューマンエラーの削減・撲滅を優先することも同様に重要なことなのです。
COVID-19の影響で、医薬品の需要が急増し、広範な品不足が発生しました。今後、同じような問題が起こらないようにするためには、サプライチェーンの問題をいかに解決するか、製造におけるヒューマンエラーをいかに減らすかに焦点を当てるべきでしょう。
製薬会社におけるヒューマンエラーの結果
米国食品医薬品局(FDA)は、サプライヤーからの原料調達の問題に加え、欠品の原因は品質や製造上の問題、生産の遅れにあるとしています。*¹ COVID-19ワクチンの配布が人為的なミスにより遅れたり、全く配布されなかったりした事例が複数あります。
ヒューマンエラーはコストがかかるものであり、こうしたミスはしばしば防ぐことができます。
ペーパーレス製造の重要性
製薬メーカーは、安全で効果的な製品を市場に送り出しながら効率を改善する方法を模索する中で、問題の根源である紙ベースの文書と報告プロセスに対処する必要があります。
製造現場に紙があると、人為的なミスで生産が滞り、品質が低下する確率が高くなります。紙の書類を保管している作業者は、読みにくい記入、署名の欠落、記録全体の紛失など、多くのミスを犯す可能性があります。その結果、必要なワクチンが市場に出回らないといった在庫の浪費から、大幅な遅延を引き起こすさまざまな生産上の障害まで、さまざまな問題が発生する可能性があります。
ヒューマンエラーを減らすには、紙をなくすことが重要です。ペーパーレス製造ソリューションに移行することで、メーカーはコストを削減し、効率を高め、コンプライアンスを合理化し、遅延の原因となるエラーを削減または排除することができます。例えば、電子バッチ記録(EBR)を使用すれば、プロセスの多くが自動化され、ヒューマンエラーの可能性は大幅に減少します。また、デジタルシステムは、設定されたデータの制限を超えた入力を拒否するため、紙のプロセスを悩ませる問題はほぼ解消されます。これにより、古い情報を入力することがなくなり、情報が欠落している場合は、EBRを提出することができなくなります。
結論
Human Error SolutionsのCEOであるGinette Collazo博士は、医薬品の「製造環境における工程逸脱の80%はヒューマンエラーに起因する」と指摘しています。" *⁵
製造現場でのヒューマンエラーは、多くの場合、現場で紙を使用していることが原因です。これは、遅延を引き起こしたり、消費者の健康を脅かすミスにつながる可能性のある負債です。デジタルマニュファクチャリングソリューションでは、こうした問題をほとんど回避することができます。紙を使い続けることのリスクとデジタル化のメリットを比較すると、ペーパーレス製造に反対する議論は成り立たないのです。
参照
著者のご紹介
Dale Thompson
Dale Thompsonは、ユタ州ソルトレイクシティのMasterControl本社でコンテンツマーケティングのスペシャリストを務めています。専門分野は、医薬品と製造業です。Thompsonの多彩なキャリアには、助成金申請書作成、ジャーナリズム、生物学教授や古生物学者の研究に焦点を当てたコンテンツ作成など、幅広い業務が含まれています。Evergreen State Collegeで学士号を、Westminster Collegeでプロフェッショナルコミュニケーションの修士号を取得しています。
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