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パンデミックの際のFDAの遠隔「検査」|ニュース&コラム|品質マネジメントシステム(QMS)管理ソフトウェアならマスターコントロール

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パンデミックの際のFDAの遠隔「検査」

2022-03-24

遠隔監査は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)によって強いられる隔離状態だけに適用されるものではありません。顧客監査および納入業者監査について言えば、遠隔監査を通じて多くの要求事項の適合状況を確認することが可能です。遠隔監査の最大の利便性は電子文書を迅速かつ容易に共有できることに由来します。なお、監査対象の企業がその文書を保存し、バージョンを管理し、全ての変更を追跡する“品質管理システム” にすでに投資している場合にのみそうした共有が容易になることは、留意しておく価値があります。 

上記と同様のメリットが米国食品医薬品局(FDA)の遠隔検査にも当てはまります。私たちはここで「検査」という用語に厳密な意味あいを与えていませんが、それは、遠隔的監督のために記録を点検し、企業とZoom会議をもつ等の活動を実施したとしても実際の検査にはならないことをFDAが明確にしたいと考えているためです。この点を念頭に置きつつも、記録の点検、Zoom会議の開催等の活動はパンデミックの間は極めて重要であり続けたし、デジタル化を進め、電子的品質管理システム(eQMS)に投資することの重要性が、これらの活動を通じて示されてきました。

リモート・インタラアクティブ・エバリュエーション (協働的遠隔評価:RIE)
FDAは、医薬品会社の文書をFDAとシェアすることを、食品、医薬品及び化粧品法のセクション704(a)(4)に基づいてこの会社に要請する権限を有しています。*¹   医薬品会社がこの要求を拒否することは、検査を拒否したことになります。医薬品会社にとっては、法令を遵守したいものの、自社の紙の文書をスキャンしてFDAに送る必要がある場合、FDAとの文書のシェアはけして容易ではありません。幸いなことに、品質管理の多くのソリューションは文書化の全プロセスを電子化する機能を提供してくれます。文書の作成から協働、承認および改定に至るまでの全プロセスが電子化され、これがFDAとの文書のシェアを容易にしてくれます。

FDAは、文書を検討した後に遠隔でのRIE (協働的遠隔評価)を求めるかもしれません。ただし、RIEを強制する権限はFDAにはないので、自主的に行われることになります。以下は、RIEに含まれる可能性がある項目です:

  • 文書、記録およびその他の情報の検討
  • 施設、製造等の作業およびその他の情報を調べるためのビデオの使用
  • 質問および懸念に答えるためのインタビューと会議
  • 施設の是正措置の評価
  • 観察および未解決の課題に関する、当該施設の最新情報の口頭での提供*²


FDAは事前に文書の提示を求めることができますが、RIEの間に追加情報を求めるかもしれません。その場合、品質担当者は文書を本人がじかに手渡すときと同じプレッシャーを経験します。電子フォーマットは全ての文書を一カ所にまとめて保存できるので不可欠であり、eQMSの利用と共に得られるアクセスの容易さは、検査官が対象となる現場にいるかどうかに係わりなく重要です。

遠隔での規制適合評価
医薬品会社に文書の提示を要請する上述の権限は医療機器会社には適用されないので、遠隔での規制適合評価(RRA)は完全に自主的なものとみなされます。医薬品会社が係わるプロセスと同様に、医療機器の場合でも、RRAの一つの構成要素は記録の提示要請です。また、eQMS のメリットと同じものが適用されます。FDAは、製造等の作業に関連した文書と品質システムを提示するよう要請するでしょう。残るRRAの要素は、主に、これらの文書を検討するための会議になります。*³
RRAの結果には、懸念される課題が RRAで見つかったときの立入り検査が含まれるでしょう。RRAの実施中は公式報告が作成されないため、医療機器会社はその間、検討対象となった事柄に関して十分に記録しておく必要があります。検査官はメモを作成しますが、これは主にFDAの記録用です。医療機器会社は情報自由法(Freedom of Information Action:FOIA)に基づく要請を通じてそうしたメモにアクセスできるだけですから、RRAの実施中にしっかりとノートを取っておくことがいっそう重要です。

遠隔監査への適用
規制当局との遠隔での協働を簡易化するツールは遠隔監査も簡易化します。FDAの遠隔検査は実施されないかもしれませんが、遠隔監査は完全なリモート方式で実施されるでしょう。それは顧客や納入業者の監査で、これを完全にリモート方式で実施できるかどうかはリスクに一部基づいて決定されるべきです。リモート技術もまた、同様に重要な役割を果たします。

文書作成の際によく見られる慌ただしさは検査や監査のときに非常に似ています。デジタルシステムのメリットもまた同じです。監査者を直接応接するかZoom上で監査者と話すかどうかは別にして、あなたの会社のeQMS から提供された情報をデジタル的にシェアできれば、それは、監査時間を短縮し両当時者の苛立ちを抑えるための鍵となります。

結 論
監査者と検査官は、パンデミックが終わった後でも彼らの活動を引き続き遠隔的に実施するでしょう。そうした変化を生き延びるための鍵は、優れた 文書管理を可能にする電子的な品質管理システム(eQMS)です。 このタイプのeQMSは監査者や検査官が要求する文書の検索と取得を容易にし、得られた文書が最新版であることを保証します。

参 照

  1. Guidance for Industry: Circumstances that Constitute Delaying, Denying, Limiting, or Refusing a Drug Inspection,” U.S. Food and Drug Administration, Oct. 2014.
  2. Remote Interactive Evaluations of Drug Manufacturing and Bioresearch Monitoring Facilities During the COVID-19 Public Health Emergency,” U.S. Food and Drug Administration, April 2021.
  3. FDA Remote Regulatory Assessment Information,” U.S. Food and Drug Administration.

 

著者のご紹介
Sarah Beale

Sarah Bealeは、ソルトレイクシティのマスターコントロール社のコンテンツマーケティングスペシャリストで、ホワイトペーパーやウェブページを執筆するほか、同社のブログ「GxP Lifeline」に頻繁に寄稿しています。Beale は、5 年以上にわたってライフサイエンスとヘルスケアについて執筆しています。MasterControl入社前は、ソルトレイクシティの栄養補助食品会社に勤務し、それ以前は、シカゴの第三者医療管理機関に勤務していました。ブリガムヤング大学で英語の学士号を、デブライ大学で経営学の修士号を取得しています。


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