CAPAデータベースとCAPAプロセスの関係
確立したCAPAプロセスを持っていない規制対象会社もありますが、どの規制対象会社も品質管理と品質保証のプロセスは持っている可能性が高く、品質管理・保証プロセスの両方でCAPAが活用されています。
正式なCAPAプロセスを持たない企業には、シンプルなCAPAデータベースが役に立つ場合があります。企業の規模、事業の性質、遵守する規制や基準によって、是正措置データベースは、スプレッドシートのような単純なものから、電子システムのような高度なものまで種類はさまざさです。重要なのは、CAPAデータベースがその企業に適用される規制や基準に準拠していることです。
例えば、米国で製品を販売する医療機器メーカーは、21 CFR Part 820.100で規定されたCAPA要件を遵守しなければなりません。この規制は、不適合製品やその他の品質問題を特定するために、データを収集・分析することをメーカーに義務付けており、また、問題の原因調査とCAPAの実施を求めています。このような観点から、是正措置データベースを作成する医療機器メーカーは、CAPAにつながる可能性のある品質問題の収集と特定に留まらず、原因の分析と調査においてデータベースがどのように役立つかを検討する必要があります。
すべての不適合や逸脱がCAPAを必要とするわけではありません。CAPAの調査と実施をどこまで進めるかは、常にリスクに基づいて決定すべきです。例えば、ICH Good Clinical Practice Guidelines(医薬品の臨床試験の実施に関する基準ガイドライン)では、「重大な違反」とみなされ、重要なCAPAを必要とするプロトコル逸脱の種類がリストアップされています。したがって、CAPAデータベースを作成する際、規制対象企業は、CAPAを確認し、問題がもたらすリスクの重大性に基づいて問題を分類する必要があることを念頭に置くべきです。
マスターコントロール製品による効果的なCAPAデータベースの構築
マスターコントロールのCAPA管理ソフトウェアは使いやすく、導入が簡単なWebベースのソフトウェアソリューションで、CAPAプロセスを自動化・合理化し、効果的に管理します。このソリューションは、CAPAプロセスを、ドキュメント管理、トレーニング管理、変更管理、不適合管理、監査管理などの他の品質プロセスと統合するように設計されています。このソリューションは、CAPAデータベースのフレームワークとして、またすべてのCAPA関連ドキュメントや記録のプラットフォームとして機能します。
効果的な是正措置データベースを構築するために、以下のマスターコントロールの機能にご注目ください。
- ベストプラクティスフォーム
- マスターコントロールは、「8D」プロセスを含むベストプラクティスのフォームとワークフローを提供し、CAPA実施の各ステップをガイドします。これらのCAPAフォームは、CAPAデータベースの重要な構成要素となります。
- Part 11への準拠機能
- マスターコントロールは、タイムスタンプ付きの監査証跡、電子署名、および21 CFR Part 11に準拠するように設計されたレポート機能を提供します。是正措置データベースを構築するFDA規制対象企業にとって、こうした機能は極めて重要です。
- 分析とレポート
- マスターコントロールの高度な分析とレポート機能で、標準およびカスタムレポートが作成できます。マスターコントロールでは、CAPAデータベースに、製品別、部門別、根本原因別など、複数のレベルでCAPAの内容をまとめたカスタムレポートを含めることができます。
- リポジトリの一元化
電子CAPAデータベースはさらなるメリットを提供
マスターコントロールを使用すれば、効果的なCAPAデータベースがより簡単かつ迅速に構築できます。さらに、マスターコントロールには次のような利点があります。
- 効率の向上
- すべてのCAPAドキュメントとタスクのルーティング、フォローアップ、エスカレーション、承認を自動化することで、効率が大幅に向上します。また、すべてのCAPA関連タスクを1か所に配置することで、ドキュメントを検索し追跡する際の時間と労力の節約につながります。
- 準拠システム
- 規制環境下では、CAPAデータベースには、CAPAプロセス自体と同様に、コンプライアンスが求められます。MasterControlは、品質システムの合理化と強化により、規制対象企業が査察準備態勢を強化しコンプライアンスが確保出来るよう支援します。
- 連携の取れたプロセス
- 是正措置データベースを含め、CAPAプロセスは、全体的な品質マネジメントシステムの構成要素の1つとするべきです。マスターコントロールを使用すれば、CAPAプロセスを、不適合管理、トレーニング管理、変更管理、監査管理、ドキュメント管理などの他の重要なプロセスと統合できます。他の電子システムを使用している企業にとって、マスターコントロールは、高価なカスタムコーディングなしで、ドキュメントリポジトリやERPやLIMSのようなエンタープライズアプリケーションと統合することができるメリットがあります。