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作業指示依頼書の定義およびメンテナンス作業指示書との違い


本記事はマスターコントロール本社公式ブログの日本語版です。
アセットのメンテナンスは、ライフサイエンス製造業などのスピード感のある厳格な環境下で、日々の事業オペレーションをサポートするために、複数のチームが並行して作業することになります。作業指示依頼書とメンテナンス作業指示書の関係性を理解することで、エンドユーザーとメンテナンスチームが最も効果的にコラボレーションできます。
製造施設のメンテナンスチーム全体のコミュニケーションと可視性は、アセットのダウンタイムと生産の中断を防ぐために不可欠です。作業指示依頼書とメンテナンス作業指示書は、こうしたコミュニケーション経路を常にオープンにし、アセット単位でサービス履歴を明確、正確、有用、かつ簡潔にするための基礎となるものです。
このブログでは、作業指示依頼書とは何か、メンテナンス作業指示書とどう違うのか、なぜ作業指示依頼書がアセットメンテナンスプログラムにとって重要なのかについて説明します。また、ライフサイエンスメーカーのニーズに焦点を当て、アセットメンテナンスプログラムをシームレスに運用し続ける最新ソリューションについても検証していきます。
作業指示依頼書とは?
作業指示依頼書は、作業指示メンテナンス依頼書と呼ばれることもあり、まだスケジュール・計画されていないアセットのメンテナンスや修理が必要になった場合に作成されます。このステップは、作業指示書の作成に先立つドキュメントで、一般にメンテナンス指示依頼書とも呼ばれます。
作業指示依頼書は通常、技術者やメンテナンス人員が、適切に動作していないアセットを発見したとき、または定期メンテナンスのスケジュールを立てる時期になったときに作成します。
作業指示書は組織にどのような価値をもたらすのか?作業指示手順が合理化された施設では、オペレーションコストが25%削減され、全体的な生産性が20%向上しています。
ライフサイエンス製造の現場での作業指示依頼書の開始の流れを見てみましょう。
例えば、ある生産技術者の1日の最初の仕事が、重要な機器のキャリブレーションチェックであると仮定します。そこで技術者が重要な測定器の普段のキャリブレーションチェックを実施したところ、エラーを確認し、修理の必要性を判断します。ここで作業指示依頼書が役に立ちます。技術者は、修理対象の機器の作業指示依頼書を作成します。
メンテナンス作業指示書とは?
メンテナンス作業指示書は、作業指示書とも呼ばれ、作業指示依頼書に続いて作成されるドキュメントです。作業指示依頼書が提出されると、メンテナンスチームのメンバーがその内容を確認し、適切な対応方針を決定します。最適な次のステップが決まったら、その作業を行うための作業指示書を作成します。
先ほどの例で、キャリブレーション値が外れていることが判明した測定器に話題を戻しましょう。技術者が作業指示依頼書を提出し、施設内のアセットメンテナンスチームの人員がその内容を確認します。
作業指示依頼書の確認後、メンテナンス技術者は該当の機器が設置されている製造現場に行き、キャリブレーションチェックのエラーの原因を特定するため、いくつかの物理テストと診断テストを実施します。問題の原因を特定したら、問題を解決するための作業指示書を作成し、社外のベンダーにオンサイトサービスを依頼します。
メンテナンス作業指示書と作業指示依頼書の違いは?
メンテナンス作業指示書と作業指示依頼書の違いは、作業指示依頼書は、発生し得る問題やメンテナンスの必要性をメンテナンスチームに正式に通知ことが目的であり、最初の警告として機能します。
一方、メンテナンス作業指示書は、メンテナンスチームが修理やメンテナンス作業のために必要なスケジュール済みの作業を進行するための承認と詳細な計画を示すものです。
どちらのドキュメントも、アセットメンテナンス管理プログラムには不可欠な要素であり、メンテナンスチームとすべての関係者が、必要なときに必要なツールと情報を入手できるようにします。
作業指示依頼書と作業指示書がメンテナンス管理を容易にする理由
作業指示依頼書と作業指示書は、メンテナンス管理を大幅に簡素化し、より効率的で効果的な管理を実現します。このシステムにより、すべてのメンテナンスのニーズが体系的に記録され、評価され、優先度と緊急度に応じて対処されるようになります。
堅牢なメンテナンス管理システムの一部である場合、これらの作業依頼と作業指示書は協調して機能し、次のようなメリットを生み出します。
コミュニケーションの合理化
依頼書や作業指示書を形式化することで、部署間や顧客とサービスプロバイダー間のコミュニケーションが明確になります。これにより、誤解を減らし、技術的な具体性を確保し、関係者全員がメンテナンスの必要性と状況を認識していることを確認できます。
効率的な優先順位付け
構造化されたプロセスにより、緊急性、必要な技術者のスキル、オペレーションへの影響に基づいて、メンテナンス作業を評価し、優先順位を付けることができます。これは、リソースをより効果的に配分し、ダウンタイムを回避するのに役立ちます。
正確な文書化と追跡
すべての作業指示依頼書と作業指示書は、メンテナンス活動の履歴を文書化したものです。これは、アセットの健全性を追跡し、今後のメンテナンスを計画し、規制に対応するコンプライアンスを維持するために欠かせない記録です。
説明責任の改善
文書化された作業指示書によって個人やチームに特定のタスクを割り当てることで、説明責任が強化され、メンテナンスタスクが計画通りに完了することが保証されます。
意思決定のためのデータ
作業指示書や依頼書から蓄積されたデータを分析することで、傾向を把握し、将来のメンテナンスの必要性を予測し、メンテナンススケジュールを最適化できます。
最新の作業指示書の管理:CMMSテクノロジーが主導権を握る
従来、作業指示依頼書やメンテナンス作業指示書は、手書きで記入され、適切な人員や部署に物理的に提出される紙のドキュメントでした。しかし、最新の設備保全管理ソフトウェア(CMMS)ソリューションにより、紙のドキュメントの必要性はなくなり、メンテナンス業務の効率化とコスト削減が実現しました。
さらに、アセットの管理にCMMSを使用している企業の78%が、機器の寿命が改善されたと報告しています。CMMSソフトウェアソリューションを導入することで得られるその他のメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 可視性とコミュニケーションの強化:作業指示依頼書をデジタルで提出することで、応答時間とリソースの割り当てを大幅に改善できるとともに、プラットフォーム内のステータスインジケーターとアラートにより、影響を受けるすべての関係者のメンテナンスプロセス全体にわたって認識を高めることができます。
- 予知メンテナンス戦略の採用:CMMSソリューションのデータにより、組織は予知メンテナンス戦略をより容易に採用できるようになり、そうした企業は毎年平均1万ドルを節約していると報告しています。
- 規制遵守と監査態勢の改善:実績のあるCMMSソリューションには、メンテナンス活動の最新記録、安全手順、コンプライアンス証明書、レポートの維持を支援する機能が組み込まれているはずです。これは、適正製造規範(GMP)、21 CFR Part 11、ISO 13485などの厳格な業界規制や基準を遵守する必要があるライフサイエンスメーカーにとって特に役立ちます。
- ダウンタイムの削減と生産性の向上:CMMSソリューションは、タイムリーなメンテナンスと修理を促進することで、機器のダウンタイムを最小限に抑えるのに役立ちます。これにより、オペレーションが円滑に行われるようになり、組織全体の生産性と効率性の向上につながります。
MasterControl:ライフサイエンス製造業向けアセットメンテナンス管理のエキスパート
製造アセットの健全性、可用性、パフォーマンスは、ライフサイエンスメーカーの成功に不可欠な要素です。アセットの最適化は、製品の品質と妥当性の確保に役立つだけでなく、施設のコンプライアンス規制にも直結します。
マスターコントロールでは、ライフサイエンスメーカーが直面する特有のアセットメンテナンス要件を把握しており、当社のチームはライフサイエンス部門に数十年にわたりサービスを提供してきました。そのため当社は、ライフサイエンスメーカー特有のニーズに特化して設計されたCMMSを開発し、規制遵守を促進しながらメンテナンスワークフローの合理化を支援しています。
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